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狭間 が更新を投稿 5年 5か月前
久しぶりに会談を投稿させていただきます。
かなり長いのですがよろしくお願いします。「宋さんの呪いの嘘とホント」
今俺は30代なんだけど中学生の時に流行った遊びに
「そうさんの呪い」とか「そうぶんぜ」とか「あぎょうさんさぎょうご」とかなかったかな?俺の学校では漢字でウ冠に木と書く「宋さん」の呪いって名前で流行ったんだ。
結局のところ宋さんの宋を後ろから読むと「ウソ」、「あぎょうさんさぎょうご」はア行の3番目は「ウ」でサ行の5番目は「ソ」、つまりは「ウソ」になるし、「そうぶんぜ」は後ろから読むと「ぜんぶウソ」になる。
内容もまちまちだったなぁ。
・この名前を聞いたら夢の中で宋さんが出てきて1週間以内に死ぬとか
・夢の中で複数出てくる二股の道を正確に進まないと呪いがかかるとかいろいろなパターンがある。そういえば後輩から聞いた話に
・複数人で集まって円陣を組み集団催眠みたいな感じで、寝ないで座って目を閉じ空想の中での「そうぶんぜ」もあったみたい。
とどのつまり仕掛人が2人いて1人が呪われたふりして、皆を驚かせて、最後は「冗談全部ウソ」といって引っかけるみたいな。前置き長くなって申し訳ない。
ここからは自己責任でお願いします。
と言ってもこの文章を読んだから、どうとかってことはないのでご安心を。
前記述では「宋さんの呪い」と言う遊びに使われた「嘘」を書いたけど、「ホント」の部分をこれから書く。それも実際に俺が中学生の時に同級生に実害があったんだ。
でも死んだとかじゃない。実害にあったのは2人の友人で1人は転校しちゃったんだ。それにこの時期は「エンジェル様」も流行ってた。コックリさんの亜流ね。
「宋さん」なんて名前の人は世界にはいただろうけど詰まるところ「ウソの呪い」なんて存在しない。でも実害があったのは事実。
それを前提に読んでほしい。そして「宋さんの呪い」の宋さんに会う方法があるんだ。
だから聞いたら呪われるとかじゃなくて正確に実行すると「宋さんに会える」。もう一度書きますね。万が一にも実行する場合は「自己責任」で。
それじゃまず用意するものから。
・大きめの棒磁石
・お菓子(何でもいいけど軽めの物)1つ
・コップ1杯の水
これだけ。このころ「宋さん」なんてウソがバレバレで皆知ってた。
これは俺の友達がいきなり休み時間に言い出したんだ。
「おい。ちょっと聞けよ。スゲー情報仕入れたんだ。」といった。俺の友達グループは全部で5人だったんだけど全員興味深々だった。
仮にこの友達を「情報屋」と呼ぼうか。
こいつはオカルトマニアで通ってる奴で向こう見ずタイプ。だけど毎回持ってくる情報には信憑性があるんだ。でもソースは教えてくれないんだけどね。情報屋は続けた。
「宋さんの呪いホントにあるぞ。」
俺たち4人は
「はぁ?なにいってんのお前?」
「宋さんてウソじゃん。」
「くだらな」
「いくらお前の情報でも宋さんはなぁ」
とかバラバラに全く信用してない口ぶりで言った。「いや!この宋さんは別だ。てか別じゃなくてホントだ。いいか。よく聞け。」
と情報屋が、前述した物を用意するように言った。続けて情報屋は
「今から使い方を説明する。」と言って話し始めた。
内容をまとめるとこんな感じ。1、自分の部屋に大きめの棒磁石を天井から糸で吊る。
2、コップ1杯の水とお菓子を毎日枕元に置く。(水は必ず汲み変える事)
3、午前0時から午前2時の間に部屋を真っ暗にして磁石を直視する。
じっと見ていると磁石の周りがぼやけてくる。
というか磁石をはっきり視認できるようになる。
ぼやけたら終了➡️就寝。
これを1週間毎日行う。ここまでが準備段階。
ちなみにこれを行うと一時的だけど異常に暗闇に目が慣れる。
情報屋の話だと磁石の周りって当然磁力がはたらくから、空間が歪むんだって。
霊とかって異界にいるって言うじゃん。いろんな呼び方あるけど。
空間が歪めば異界から見たときに出口があるように感じるんだろうね。
但し問題は何が覗いてくるか?だよね。
さっきも書いたように「ウソの呪い」なんて存在しない。
だからホントに「宋さん」の確証はない。慣れるとこちら側から感覚的にだけど異界を感じるようになる。
そうすると異界の者の声とか姿とかを認識するようになる。
だからこの磁石を見続けるのは1週間が限度。
それをこえて続けると日常的にあり得ない者を見ることになるんだってさ。寝てる時って不思議な夢を見たことない?
起きているのか寝ているのかの区別がつかなくて、下手すると感覚まであるとか。
異界を無意識に感じるようにするのがこの下準備のポイントなんだって。
無意識に感じてるから現実ではわからない。
でも確実にこの世界とは別の世界を触れてる記憶が脳に残る。
だから夢の中で「宋さん」に会えるってわけ。人の夢に異界の者がどう干渉するか?は解らないみたいだった。
情報屋はあらかた説明すると
「とりあえずみんなでやってみようぜ」
って言った。ちなみに俺は凄いビビりで、心霊スポットとかにも行けない。《さわらぬ神に祟りなし》みたいな感じ。
俺以外の3人は乗り気で
「いいね!」
「面白そうじゃん!」
「やるよ⤴️⤴️」
みたいな返事だった。俺は渋々承諾した。
でも内心は冗談じゃない!やったふりして、何も起きなかったからどうだった?みたいな感じで皆に聞いてみようと思っていた。ここでメンバーの自己紹介しておくね。
・俺➡️ビビり
・情報屋➡️オカルト狂
・イケメン➡️情熱派
・ガリガリ➡️ツッパリ
・ロン毛➡️クール次の日から俺達の間では磁石の効果はどうだった?って話ばかりで、
ロン毛は
「すぐ磁石の周りが揺れてるような感じになったよ。」とかガリガリは
「俺はなかなか変化なくて2時までずっとにらめっこしてた。」
とか言ってた。俺はやってないのがばれないように必死だった。
俺は
「なぁ情報屋。俺達この下準備していくのはいいけど、これってマジで宋さんに会ったらどうするの?」
って聞いた。情報屋は
「あー!そうだよね。その情報仕入れるの忘れてたよ。何とかなんじゃね?」「お前」って俺が低く言うと
「大丈夫大丈夫!今日部活も無いし調べておくよ。
てか俺が調べてないの内緒な。
特にガリガリ辺りに言うとキレそうだからさ。」俺は白い目で情報屋をみていった。
「ホント頼むよな。」「任せとけって!」
そう言うと情報屋は自転車に跨がり帰路についた。その後2日間、情報屋は学校を休んだ。
下準備から5日経過していた。この頃ガリガリもロン毛もイケメンも変化があったらしい!
夢を見ると誰かに見られてる感覚があるんだって。
当然やってない俺にはどんな感覚かわからない。
3人は心踊っているようだった。
俺は不安だったけど3人に聞いてみた。
「なぁ、イケメン、ガリガリ、ロン毛もちょっと不安にならないか?」「何で?」「べつに➡️」「そうか?」
「いやマジで、もし、宋さん現れたらどうすんの?」
ロン毛とガリガリは
「はぁ?宋さんに会うためにやってんじゃん」
「会ったら帰ってもらえばいいんじゃね?」イケメンは
「俺は心配しすぎだよ。」俺は強く言った。
「いやいや!帰ってくれって言って帰ると思うか?普通に考えて。
そもそも言葉だって通じるかわかんねーだろ!
呪われたらどーすんだよ!」イケメンは
「そんなのこっちの勢いでなんとかなるさ!」
ツッパリのガリガリは
「ビビってんじゃねーよ!俺!そんときゃ俺が追い返してやるからよ!ハハハ!」ロン毛はいたって冷静で
「まぁ、そこんとこも情報屋に聞いてみればよくね?明日には学校来るだろ。
おまえもあんまり心配するなよ。
会う方法があれば、返す方法もあるよ。」「そっか。」
俺は静かに答えた。翌日
情報屋は学校へ来た。
そして直ぐに俺達のところへ来て話し始めた。「皆、ちょっと聞いてくれ!」
俺達は
「よぉ!体調大丈夫か?」
「風邪か?」
「まさかずる休みじゃないよな?」
「連休とはいい身分だなぁ!」
なんて言った。情報屋は
「バカ!お前らの為に2日間必死で探してたんだよ!もしもヤバくなったときの為の対処法!」俺は心の中ではホッとした。ガリガリ、イケメン、ロン毛は「ほぉ⤴️」と言う感じて聞いていた。
対処法はこんな感じだった。
・宋さんが完全に消えるまで精進料理以外は食べないこと。つまり《肉、魚》等。
・宋さんの問いかけに答えてはならない。
・宋さんに触れられてもダメ。
・寝る前に塩を一撮み口に含んで寝る。
・部屋の四つ角に盛り塩を置く事。期間はどのくらいか解らないがおそらく半月もあれば宋さんは去っていくだろうとの事だった。
俺はいよいよヤバいと感じていた。それでもロン毛以外は平然としている、というか強気だ。
「なんだよ!撃退とかできねーの?」
「強制徐霊みたいのがあるかと思った。」とガリガリとイケメンは言う。
続けてガリガリは
「なんならぶん殴ってやろうかな!」
なんて言う。
さすがに情報屋は
「いやいや、ガリガリ!それはやめとけ!そもそも勝てる、負けるの相手じゃない。絶対立ち向かったりするなよ。
さっきも言った通り、触るな、声を出すな!見るだけだ!絶対守れよ!」
と念をおした。
ガリガリは渋々「チェッ!」っと言うと教室の席に着いた。俺は違和感を感じていたが、ロン毛もイケメンも「わかった」と言って授業を受ける準備をした。
俺は違和感を確かめるべく帰りに情報屋に聞いた。
情報屋は部活に向かうところで自転車に乗るところだった。「おい!情報屋。ちょっと聞きたいことがあるから答えてくれ。」
情報屋は
「ん?なんだ?」
と言う。
俺は
「なぁとりあえず対処法はわかったけどお前、何か知らねーか?てか隠してねーか?
どーもお前の態度をみてると他にもっと核心的な部分を隠してるだろ?
ガリガリに言ったこともそうだけどかなり勢いあったからな。
ほんとはやばいんじゃないか?」情報屋はしばらく迷ったようだったがため息まじりに
「お前にゃかなわんな。
正直、俺も半信半疑なんだ。」「話せよ!お前がどうやってしらべたのか?
何を知ったのか?」情報屋は語り始めた。
先に情報源については、祓屋を生業にしている中年のおばさんが近所にいて、昔からオカルト好きの自分はいろんな事を教えてもらっていると言ってた。
宋さんはヤバイと言うこと。対処法を1つでもミスると実害があると言われたようだ。
続けて情報屋は
「俺も少し怖くなって、ガリガリには強く言ったんだ。多分と言うか宋さんはマジで現れる!
おそらく明後日だ。だから明日皆学校に来たら磁石と菓子を処分するように言うよ!あと水もな。」
そう言うと情報屋は部活へと向かった。俺はすごく、凄く不安になりながら宋さんの現れるという日を待った。
ホントに何も起こるな!と心の中で思っていた。