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  • ツカサ が更新を投稿 4年 11か月前

    うちのマンションには裏階段があり、利便性がよいことからほぼその階段を使って生活している。

    その日は普段通り21時頃階段を登り三階にある自室に向かっていた。

    その裏階段は各階登り切った位置に玄関ドアがあるのだが、3階にたどり着いたところ、ふと玄関ドアがうっすら開いていた。恐らく5cmぐらいだろうか。

    その隙間から何か黒い物体ものがみえる。玄関から明かりが漏れており、物体の背面が光に照らされているせいか私から見る物体は余計黒く見えており、一体何が見えているのか、状況がよくわからない。

    「住民が閉め忘れただけだろう」とあまり気にせずに階段を登り切って横切ろうと玄関ドアに近づいた。その瞬間に私は状況を理解した。人の顔がドアの隙間からジッとこちらの様子をうかがっていたのだ。息を殺して・・・。

    見開いている目と目があってしまい、私は恐怖に襲われた。

    「一体何をしているんだ?」

    恐らく40代から50代ぐらいの男性で帽子を被っている。顔は明かりのせいかアルコールが入ってるかどうかはわからないが、妙に赤黒い。それが顔を玄関ドアの隙間に顔を密着させて、息を殺してこちらの様子を凝視していたのだ。

    心霊ではない恐怖。久々に味わった初夏の夜だった。