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  • 狭間 が更新を投稿 5年 7か月前

    前回の続きです🙇
    実際に自分で聞きに行ったのですがかなり訛りある言葉だったので細部は想像も混じってます🙇
    暇潰しにでも読んでみてください🙇

    先輩に何があったのか?
    それを調べるべく俺はK国に飛んだ。

    答えから言わしてもらう。あのトンネルで行われた儀式のような行為は
    「独脚鬼」トッケビを造る為だったのだ。

    トッケビについては諸説ある。中国からの鬼神説習合だの、日本で言うところの付喪神だのといったところ。

    形に関しては一本脚の角がある鬼だと言うこと。
    いたずら好きのトッケビは禍福両方をもたらす。

    しかし俺の調べたところによると、トッケビを人から禍神として造る所謂、左道が存在するようだ。

    これは調査の中、K国の古老に行きつき話してもらった内容だ。

    「あんた。こんな田舎まできて、こんな話を聞きたがる。まぁ金貰っちまったし、約束だから語りはするが、使っちゃならね。使っちゃならね、呪法よ。おそらく知っとるのはワシを含めて数人だろう。
    何人かはもはや死んでおるかもしれんの。」

    古老は話始めた。この古老はホントに貧しい田舎にいたので俺は日本円にして10万程を現地の金に換金してわたしたのだ。

    俺は古老に言った。
    「実は私の先輩が・・・」
    一通り内容を説明すると、古老は青ざめた。
    「なんという事だ。また悲劇が繰り返される。
    あんたの言う知人はおそらく元には戻らんじゃろう。いや、それよりあんたの国で少しずつ災難がおこるだろう。」

    「わしのじいさんはそのあんたの言うトンネルの建設に関わっていた。わしの血統はKT国から逃げてきたんじゃよ。
    そして当時の研究書と称して儀式の内容を克明に記録した。
    なぜ研究かというと、こんな儀式は存在しなかったんじゃよ。」

    俺は聞き直した。
    「存在しなかったとはどう言うことですか?」

    古老は語る。
    「いいかね。どんなものも始まりは無じゃろ?あんたの着物だって一本の糸から紡がれとる。初めから着物は存在しない。人は考え着物を造りだし、改良して行く。
    儀式とて同じじゃ。数ある左道から人の怨嗟を抽出し人から鬼へと変貌させる。あんた。鬼とは何だと思う?」
    俺は解らなかった。
    「角があるとかですか?」

    「いろいろな解釈があるがワシらの国で言えば災いをもたらす存在じゃよ。」

    俺は鳥肌が立った。

    「多かれ少なかれ独裁者は神秘性に傾倒する。あんたも知っておるはず。
    ドイツやロシア等。」

    「まあいい。儀式についてじゃったな。」

    俺は静かに頷くと古老はため息混じりに話始めた。

    「まずあんたの知人が最初に食わされたのは人の肉じゃよ。」

    「はぁ!?」

    「儀式で言う第1の要。
    同族の肉を食らう事。
    飲まされたのは血液じゃろうな。
    わしの知っておる限り血液は使わなかったはずじゃが、おそらく完成度をあげたかったんじゃろう。」

    俺は鳥肌が立った。

    「故意にしろ、図らずも同族を食む事はその身を悪道に堕とす。
    そこから選別が始まる。ワシの知っとる部分じゃ断頭台じゃが、今はあんたの話の通りなんじゃろ。」

    「その次が儀式の要じゃ。三尸(さんし)を知っておるか?上、中、下尸の三尸。これは人の業を報告する虫として世間では知られとる。これを体外へ出さず拘束するんじゃ。秘薬をつかっての。その製法はわからんが三尸を閉じ込めると暴れおる。耐えられるかはそのもの次第。
    耐えられなんだら頭から芋虫が出てくる。まぁワシも見たわけではないが、頭を喰い破ったら蒸発するそうじゃ。
    留めたら頭に瘤ができる。いずれ三尸はおとなしくなるがその留めた人間は地獄に堕ちることも、天へ昇ることもできんようになる。あんたの国で何て言うか知らんが、魍魎の類いになっちまうのさ。
    だから、地からも、天からも見放され、魍魎は怨念の怨嗟を元に鬼へ変わる。」

    「しかし本当の鬼は孕ませた子供じゃよ。」

    古老は震えた。

    「孕ませた子供は人のように十月十日腹にいるわけではない。最大で7ヶ月。
    産まれたらもう終いじゃ。成長したら敵対する国に送られる。
    何しろ怨嗟の塊じゃから、そこにいるだけで人心を害し、地域が乱れる。水は淀み、生物が少なくなる。
    そして疫病等が流行り出す。
    何度かあったわなぁ。ペスト、スペイン風邪。どこの国でもやっとる。
    あんなもんを作るから痛い目をみるんじゃよ。」

    俺は古老に尋ねた。

    「送ると言っても子供をどうやって?」

    「産まれた子供は普通の人間には見えんよ。
    トッケビは物にとりつく。何でもええ。箸、ガラス玉、紙。
    トッケビが憑いた物をその国においてくればええ。
    ワシもトッケビの産場には立ち会ったことがないからどうやって物にとりつかせるかはわからんが、祖父の話では産まれてくる時、真っ赤な血溜りしか出てこないそうじゃ。
    そして必ず母は死ぬ。」

    「ワシに話せるのはこれがすべてじゃ。」

    古老は最後に一言だけ

    「あんた。気を付けなさいよ。」

    と言うと、去っていった。

    これからどうしたものか。俺も知りすぎた1人になってしまったようだ。

    これから日本に何が起こるのか。

    ちなみにおのさんは辛うじてまだ生きている。
    入院していると聞いた。
    人生の終わりが近いのか?

    面会謝絶だそうだ。

    何もおこらないでほしいと願う。

    以上です。

    • 続き(後日談)もあったとは!!
      ちょっとこう言ってしまうとアレですが、めちゃくちゃ興味深いですありがとうございます!!ひょっとするとこれまで世界のどこかで起こった大災害のうち一つにそのトッケビが関係していたら・・・などとついつい考えずにはいられないですなぁ ƪ(•◡•ƪ)