cover2019WS

☬ 呟怖王 2019 WINTER-SPRING ☬

みなさんどうも、管理人です ҉*\( ‘ω’ )/*҉

お馴染み『呟怖』。ツイートに『#呟怖』というタグをつければ誰でも投稿できる、1ツイートに収まる小粒なホラー・怪談作品。実話・創作問わず毎日たくさんのジャンルの呟怖が生まれ、最近では様々な関連アカウントや企画など登場・開催されますます盛り上がりを見せています。
投稿された呟怖作品は下記リンクから読めます。
https://twitter.com/hashtag/呟怖

猫獄山でも本企画『呟怖王』と、みんなでつくる呟怖のデータベース『呟怖.ORG』を立ち上げ呟怖を応援しており、呟怖.ORGには120名を超える呟怖作家さんに参加いただきおよそ10000の二次創作を許された(非商用)呟怖が集まっています。

『呟怖王』

そして迎えた、第四回目『呟怖王 2019 WINTER-SPRING』は審査員に猫獄山でおなじみビストロ怪談倶楽部さんを迎えお送りします!

みなさん、Twitterに『#呟怖』というタグをつけて呟怖を投稿し、投稿した内容をこの記事のコメント欄に貼り付けて応募してください。

応募作品は厳選なる審査を行い、優秀作品をビストロ怪談倶楽部さんが発表配信します。毎回たくさんの作品を応募いただき、今回も覚悟を決めて全作しっかり読ませていただきます!
そして優秀作品には賞品を用意してあります。今回も優勝者には恐ろしく地下アルティメットな栄誉『呟怖王 2019 WINTER-SPRING』の称号とトロフィー(的なやつ)を贈呈します!
今回もクリエイターさんもリスナーさんも読者さんもオカルトホラーファンも、全員にワンチャンあるガチンコ勝負ですので、奮ってご参加ください!

2019WS
募集要項
◆賞
・優勝:1作品
  ★アクリルトロフィー
  ☆ビストロ怪談倶楽部さん朗読
・ビストロ怪談倶楽部賞:1作品
  ★シークレット
  ☆ビストロ怪談倶楽部さん朗読
・猫獄山賞:1作品
  ★あんコのつらみキーホルダー
  ☆ビストロ怪談倶楽部さん朗読
・優秀賞:10作品
  ☆ビストロ怪談倶楽部さん朗読

◆審査対象作品
2018年9月9日以降に書かれた作品で、2019年4月5日(金)までにコメント応募があった作品

◆審査員

ビストロ怪談倶楽部ビストロ怪談倶楽部
回を重ねる毎に新たな名作が誕生してきた呟怖王!今回審査員として関わらせて頂ける事を光栄に思います。皆様の至高の呟怖を是非お待ちしております!

◆投稿方法
Twitterに『#呟怖』というタグをつけて怖い話をツイートし、投稿した内容をこの記事のコメント欄に貼り付けてをコメントしてください。応募作品はお一人様10作品までとさせてください。創作、体験談など自由に投稿してくださってOKです。
『#呟怖』という文字と文章との間には半角スペースもしくは改行が必要ですのでご注意ください。
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新たなホラー・怪談のムーブメント呟怖をぜひみんなで育てて盛り上げましょう (ФωФ)ノ

“☬ 呟怖王 2019 WINTER-SPRING ☬” への230件のフィードバック

  1. #呟怖
    人間が認知できる音は20〜20000㎐と言われている。
    可聴域の下限である19㎐以下を可聴下音と呼ばれているのだが、この19㎐の超低周波音は人を不定愁訴にさせるそうだ。
    この音は幽霊が目撃された場所などで発生しているという。
    周辺視野に幻覚がみえるという報告もあげられている。

  2. #呟怖
    フキノトウか。
    やはり天麩羅だろうか。
    酒のつまみに上等だろう。
    そっと周りの土を掻き分けると妙なものが手に触れた。
    遺体だ。
    雪が溶け春の芽吹きとともに誰かに見つけてほしかったのだろうか。
    通報しようと携帯電話を手に立ち上がったときだった。
    私の首に冷たい感触と土汚れが触れた。

  3. #呟怖
    無意識だったものを認識してしまうと、気になって仕方ないってことないかな。そんな話。
    体温の高揚や脈動。
    昂ぶった神経は覚醒へと導き、眠れない夜を連ねる。
    ナニカに見られてる気配を感じるのは、そんなときさ。
    感覚は日が経つにつれて音へと変わり、目の前に現れたときにはもう遅いんだ。

  4. #呟怖
    大寒波は山を雪に包み込んだ。
    静寂な雪山で穴を掘る二つの影が。
    「地面が全く見えないな」
    「まったくだ。やってられねぇ」
    舞散る雪で視界が悪い中、懸命に穴を掘り続ける男達。脇には無残な姿となった少女が眠る麻袋が。
    雪はスコップの音も吸い込み、非道な行為さえも静かに包んでいく。

  5. #呟怖
    『サイコメトリー』
    ぼやけたピントに鮮やかなコントラスト。意識が朦朧としているのだろう。
    「かえらなきゃ」
    彼が最後に残した一言だった。
    被害者は通り魔に刺された後も家族が待つ家へ帰ろうと歩き続けた。
    深夜の街中で起こったクリスマスの惨劇。血に染まったテディベアだけが観ていた。

  6. 焼却炉から黒い煙が昇っていくのが見える。どんよりした空に憂鬱が混じり合ってくように思えた。
    人に大事にされた物には魂が宿るという。ならば必要とされなくなった物たちの魂はどこへ向かうのだろうか。
    あの黒い煙は、彼らの未練のように思えてならない。
    #呟怖

  7. 朝靄に包まれた湖のほとりに一人ぽつんと女性がたっている。
    どこか神秘的なものを女性に感じ、暫く眺めていると彼女はすっと消えてしまった。
    静寂だった辺りに鳥の囀りや湖のせせらぎが聴こえてくる。
    #呟怖

  8. 「お父さんどこ行くの?」

    火葬場へ向かう霊柩車を不思議そうに娘は眺めていた。

    この子が大きくなれば、意味が分かる日もくるだろう。

    「旅に行くのよ、遠いところへね」

    でも…もう疲れたの。
    私は娘の手を引き、微笑みかける。

    「お母さん達も旅に行こっか」

    お父さんが待ってるから。

    #呟怖

  9. 片思いの夏。
    意中の子に花火しようと誘った。
    浴衣着てくるねと、彼女は嬉しそうだったのを覚えている。

    それが最後の会話だった。
    待ち合わせ場所へ向かう途中、彼女は事故に遭い、帰らぬ人になった。

    あれから夏が終わる度、僕はひとり寂しく線香花火をあげている。

    彼女は今年も来ない。

    #呟怖

  10. 雨やどりをしていると、傘も差さずに立ち竦む女性をみた。じっと顔を俯かせている。不思議と違和感はなかった。彼女がそこにいるのは、自然に思えたのだ。やがて雨があがると彼女はいなくなっていた。
    心に冷たい感触がひろがる。雨に濡れた花束の雫が、薄く陽の光を写している。
    #呟怖

  11. いつからか?
    誰が置いたのか?
    自殺が多発するスポットに、TVが置かれる様になった。
    そのTVは、命を断とうとする人が近づくと眩しい光を放ち、TVの中へと誘うらしい。
    実際目撃者がおらず、都市伝説扱いなのだが、ここ半年で人口の1/3が激減、ほとんど行方不明らしい。
    #呟怖

  12. 友人達と怪談会をした際、自分の語る怪談のオチをうっかり忘れてしまったので、怖くアレンジして語りきった。
    周りから怖かったと評判だったので、才能があるのかなと自信がついた。
    その夜
    枕元で男が「違うだろ、違うだろ、違うだろ」と一晩中怒り狂っていた。
    #呟怖 

  13. お客様のカットをしていると、1年に1人位の割合で、頭部に目や口等の部位がある人がいる
    その場合、慌てず・指摘せず黙ってオーダーを終わらせるのがルール
    発見次第、店長に必ず報告をする決まりなのだが、大概そういうお客様はその後のご来店はない
    #呟怖

  14. 雨の日の夜が大嫌い。
    ベッドに潜っていると、雨音に混じって窓の外から
    「痛い…」
    と、悲哀を滲ませた女性のか細い声と
    「シャキンッ! シャキンッ!」
    と高い金属音が聞こえてくる。
    その声が、日を追うごとに家に近づいているんだ。
    と、子供が訴える。
    #呟怖

  15. 墓掃除をした際、何かで引っ掻いたのか手のひらに傷が出来ていた。
    中々治らず患部を観察すると、傷口の隙間に小さな目玉がびっしりと、ひしめきあっていた。
    視線に気づいたのか、大量の目の群れがこっちを向いた。
    誰か、この症状に詳しい方はいらっしゃいませんか?
    -某質問サイトの投稿内容-
    #呟怖

  16. 年に一度、あるアトラクションに必ず乗る。ライド自体が回転するコースターで、安全ベルトを装着しても遠心力で振り落とされそうになる。

    機体にしがみついたら、まだ生に執着があるとみなし、もう一年頑張ってみる。
    振り落とされても良いと感じたら、その時は…

    年に一度の生存意識の確認だ
    #呟怖

  17. 不審な現象が続くので霊能者を紹介して貰った。鞄から嫌な気配がすると言うので中身を机の上に並べる。お守り袋を見た霊能者は表情を歪め、塩を大量に振りかけると、何かを吸ったかの様に塩が膨張し始めた。
    「神社のお守りも強い怨みを込めると呪詛になります。」
    あれ?これ誰から貰ったんだ…
    #呟怖 

  18. 好きな娘がよく家に遊びに来るので、僕は毎回珈琲に睡眠薬を入れます。眠っている間、ずっと耳元で「僕を好きになる」と囁いています。でも効果は、ありません。

    毎回珈琲を飲むと眠ってしまうのに…目が覚める直前まで耳元で囁いているのに…彼女は気づいているハズなのに、僕の家に来るんです
    #呟怖 

  19. 友人から
    「代償と引き換えに願いが叶うとしたらどうする?」と聞かれた。
    「代償を払うなら断る」と答えた。
    「お前は幸せ者だ」と笑われた。
    3日後友人は亡くなった。
    その後、事故死したハズの友人の彼女が普通に登校してきた。今じゃ新しい彼氏もできた様だ。彼はこれで満足なのだろうか。
    #呟怖

  20. 空が、緑色をしている。
    ビル群は影もなく白くただ白く、地面はあらゆる情報を失って黒かった。
    ビルの上で終焉を待っていると機械仕掛けの天使がやって来て言った「貴方もこっちに来ない?」
    行かない。もうたくさんだから。
    涙は出なかった。
    巨大な白い月が暮れていく。
    #呟怖

  21. 往かないのかい? と、訊かれた。
    空に浮かぶ羊水の水路を眺めていた。
    往かないのかい?と、また声が訊いた。
    あの水路を渡れば今よりは上等な生物になれる。
    わかっている。
    往かないのかい?
    また背をむける。
    まだ早い。まだ。まだ。
    #呟怖

  22. 1月1日
    明けましておめでとうございます。
    去年は病もあり辛い一年でしたがなんとか生き延びました。きっと今年も辛いでしょう。
    それでも、生きていきます。
    不器用だけど精一杯、生きて行きます。

    1月2日

    1月3日、首吊り死体で発見された青年の手記より。

    #呟怖

  23. ええ、鬱病なんです。軽い。
    たまに…ちょっと死にたいなって。思う程度です。
    …でも本当におかしい人って自分がおかしいこと分からないですよね?
    私は分かってるので大丈夫です。鬱病なので。

    今日も彼女は呟き続けている。
    誰もいない椅子に向けて。
    本当の病名は、言えない。

    #呟怖

  24. この世界は完全だ
    完全なパース 完全なデッサン
    口から出る言葉は嘘でさえもほんとうだ
    手も足も出ない

    ふと思った
    この世界は 裏側まで完全だろうか
    月の裏側はあの世だと聞いた

    そんな考えが僕の首に輪をかけ
    椅子を蹴らせた
    #呟怖

  25. 朝。

    姉が曇り一つない笑顔で僕を見ている。
    僕は脂汗を流しながら安定剤を焼酎で流し込む。
    「私結婚するの」
    「嘘だ」
    立ち上がって焼酎瓶で姉の頭を殴る。
    倒れた姉に背を向け布団に潜り込む。
    心が弱いからこんな幻を見る。

    朝。

    姉が曇り一つない笑顔で僕を見ている。
    「私結婚するの」
    #呟怖

  26. ひび割れた唇にウイスキーが沁みて気づいた。
    19の頃踏み切りの上で来ない君と歩く筈だった道。
    あの道の正しさをまた君に教えに行こうと思った。
    ホームセンターの店員が胡乱な目で僕を見ている。
    ナイフと鋸の組み合わせはそんなにおかしいかな。
    正しさを証明してみせるよ。
    #呟怖

  27. ノックしようよ
    コンコン
    ねぇ誰か来たよ
    隣の部屋の女が帰ってきた
    部屋の男が出てきて周りを見る、少女達には気づいてないらしい
    隣の女を見つけ「誰か見ました?」と尋ねたが隣の女は廊下の少女達を見た後「いえ」と返す
    と扉は閉まった
    少女達は女にこう言った
    「あの男に殺されたの」
    #呟怖

  28. 部屋の物が微妙に動いてる気がしたから留守中にビデオを回した。
    家に帰ってビデオを再生すると、知らない女が家に入ってくるのが映っていた。
    女はそのまま押し入れに入った。
    ずっと見ていると、誰か家に入って来た。俺だった。
    そしてその後ろから去年死んだばあさんが入って、その後から……
    #呟怖

  29. 車で、彼女と心霊スポットに行った帰り。
    「うちに寄ってく?」と尋ねると、自宅に送ってという。
    まだ時間も早いのにと思いつつ、言われた通りにした。
    車を止めると、彼女は無言で降りて、
    何故か助手席の後ろのドアを開けた。
    「降ろしといたから」
    そういうと、彼女は僕を見て微笑んだ。
    #呟怖

  30. 朝、枕の上にカツラが落ちていると思ったら、自分の髪が頭皮ごと抜け落ちていた。
    頭を触るとツルツルする。
    そのうち顔の皮がずるりと剥げ落ちて、蛇のように脱皮していると気付いた。

    脱皮が完了し、色々疑問は残るが取り敢えず困ったのは、
    私の意識は脱ぎ捨てられた皮の方にあるのだった。
    #呟怖

  31. 【都市伝説】
    猫のお面をかぶった男の子が辻から手招きをするんだ、
    それでその子について行ってしまうと
    二度ともと居た場所に戻れないんだよ。

    えっ?

    誰も帰れないなら、なんでこの話を僕が知っているかって?

    キミ、まだ自分の今いる場所がわかってないようだね。
    #呟怖

  32. 【どうして】

    どうして勉強しなきゃいけないの?

    どうして先生の言う事を聞かなきゃいけないの?

    どうしてみんなと仲良くしなきゃいけないの?

    ドウシテ?ワタシヲイジメルノ?
    #呟怖

  33. #呟怖
    『相談』
    友人に相談があると呼びだされ友人宅へ向かった…友人宅に着き、早速相談事とは何かと私が切り出すと、友人は涙目で『すまん許してくれ!』とだけ私に告げ、私の手を強く引き玄関から外に出しドアに鍵をかけた…訳がわからず帰宅する途中『カワリハアナタ』と耳元でカスレた声がした…

  34. #呟怖
    『不思議なトンネル』
    小一時間かけ自宅の駅に着き、徒歩で小さなトンネルを抜けると我が家が見えて来るはずなのだが、何故か会社の前に戻ってしまう…幾度かそれを繰り返した時にトンネルの出口付近で何かにつまづき暗がりに視線を落とし目を凝らすと私に良く似た身なりの刺殺体が転がっていた

  35. #呟怖
    『自治会』
    自治会に参加すると、近所のお年寄達の名前と詐欺被害の回数がホワイトボードに書かれており、その数字の上に莫大な金額がいくつも書いてあった…隣のお爺さんに『あの金額は皆さんの被害額ですか?』と聞くと『違うよ自治会で犯人を捕まえて臓器を売って儲けた額じゃよ』と微笑んだ

  36. #呟怖
    『恐怖』
    朝眼が覚めると押入れの隙間から首だけの女がこちらを見つめていた。
    恐怖のあまりにトイレに駆け込み鍵をかけて便座の方へ振り向くと今度は便器から手が出ている…恐怖のあまりに顔を手で覆いその場にうずくまると脳裏に昨夜の記憶が蘇ってきた『忘れてた殺して解体して置いたんだ…』

  37. #呟怖
    『当選』
    政府職員を名乗る男が家に来訪し『抽選の結果貴方はコチラ側の人間に当選しました』と【事故死・病死とし淘汰する人】と題した沢山の氏名と死因等が書かれた名簿を私に手渡し『コレは落選されたアチラ側の人間です』と呟いた…その後目にする死亡記事と名簿の内容は常に一致している…

  38. #呟怖
    『窓』
    たまに、残業で疲れ果て家の前まで来ると、二階の窓が開けっぱなしになっている事がある…玄関のドアを開け、窓を閉めに二階に上がると、窓は何故か閉まっている…そんな時ふと思い出す…『仕事で疲れた時は気分転換に換気するとスッキリするよ』と亡くなった彼女が言っていたことを…

  39. 【見知らぬ靴】
    家に帰ったら玄関に茶色い靴が一足だけあった。
    見たことがない靴だったが、新しいものだったので、
    誰かが買って履いて来たのだろうと家に上がった。
    家の中は静かで家族の姿もない。
    不安になり2階も探してみたがやはり誰もいない。

    玄関に戻ると、茶色の靴は消えていた。
    #呟怖

  40. 【シュ】
    ティッシュを引き抜こうと手を伸ばしたら、
    箱から少し顔をだしていたティシュの端が、
    音も無く引っ込んだのを見てしまった。
    #呟怖

  41. 鏡の中の自分に向かって「お前はだれだ?」と何日も問いかけ続けると、
    ゲシュタルト崩壊を起こすという。
    ゲシュタルト崩壊ってどんな現象なのか?
    気になった僕は試してみることにした。
    洗面所の鏡に向かって問いかける。

    「お前はだれだ?」

    鏡の向こうには知らない顔が笑っていた。
    #呟怖

  42. 【電話】

    午前2時に電話が鳴った。 出てみると、子どもの声で「今からいくよ」とだけ言って切れた。

    いったい何が来るんだろう。
    #呟怖

  43. 幼少期、母親と駅で電車を待っていると、突然無数の黒い蝶たちが飛んできて、人の形を形成していったんです。

    「ママ、見て!」

    私が指さすと、その蝶の群れは

    「きゃあぁぁあぁぁあっっ!!」

    と金切り声を上げて線路内に飛び込み、快速列車と共に消えてしまいました。

    #呟怖

  44. 祖母の田舎では毎年、盆の時期になりますと空から大量のアメフラシが降ってくるそうです。

    それは、海で死んだ者たちの生まれ変わりとも言われ、降り注いだ後は町民総出で回収し、浜で供養します。

    因みにこの時期海で漁をすると網には人の顔した水母が大量に掛かるらしいです。

    #呟怖

  45. うちの学校の七不思議に「開かずの本」というのがある。

    それはガムテープでぐるぐる巻きにされた本で、学校によって色んな種類があるらしい。

    「樹海の人魚」

    「なおみ」

    「赤い音楽室」

    因みにうちの学校には悪魔の書いた詩集があるらしいんだけど、キミの学校にはどんなのがあった?

    #呟怖

  46. 猫嫌いの祖母が失踪して数日、天井の雨漏りが酷くなった。見ると、その染みがどことなく、祖母の顔に似ている。

    不気味に微笑んだ口からポタポタと雫が糸を引いて落ち、それを飼い猫がじっと見つめている。

    翌朝、飼い猫の姿が消えた代わりに、天井の染みが満面の笑みを浮かべていました。

    #呟怖

  47. 昔実家の屋根裏で遊んでると御札の貼られた桐箱を見つけました。

    開けると中には祖父直筆の手紙と大きな白い繭が入っていました。

    手紙によると繭の中には人形が入っており、大災害時にはこれが孵化し、屋敷を守るのだそうです。

    今では我が家の家宝として大事にその繭は祀られてあります。

    #呟怖

  48. 小学生の頃、よく天井の隅に女の人がぶら下がってる事がありました。

    「いいかい?ワタシの事はみんなには内緒だよ」

    しかし、ある日約束を破った私の前に現れたその女の人は、口からから大量の蜘蛛が出てくると同時に、崩れるようにして畳の上に消えてしまったんです。

    #呟怖

  49. 「樹海の人魚」って知ってる?

    ガイドの話曰く、姿は見えないけど、毎年何人もの人がその歌声に魅せられて樹海へと入って行くんだって。

    それが天使か悪魔かは誰にもわからないけど、自殺志願者にとって、そこは最期の楽園なのかもしれないね。

    あなたも樹海で溺れないように気をつけてね。

    #呟怖

  50. 私の家では朝起きると枕元に靴が置いてあることがあります。

    それもリボン付きの真っ赤な靴で、毎回きちんと揃えられて置いてあるんです。

    カメラを設置しても、映像はいつも同じ時間で途切れてしまう。

    近頃は押入れいっぱいになったその赤い靴を、恵まれない子供たちに寄付する予定です。

    #呟怖

  51. 以前住んでたマンションに奇妙な集団が出入りしてたんです。

    それは夕刻になるとゾロゾロと現れ隣の部屋へと入って行く。

    どうやらカルト宗教みたいなんですけど、その中に一人だけ異様に背が高い人がいるんです。

    それも水母みたいにフワフワと音も無く進む。

    あれ、絶対やばいですって。

    #呟怖

  52. 以前奇妙なバイトをした事があります。それは夕方の4時〜6時の間だけとある空き家の管理をするというものでした。仕事内容は数分おきに鳴るドアホンの向こうで「ママ、開けて」と髪の長い真っ赤な姿の何かが言ってくるので「ママは死にました」と答える、というものでした。二年間やりました。#呟怖

  53. 手を伸ばしても空を掴むだけだった
    僕の腹から、血がどくどくと流れ出す

    君は艶やかに笑う
    こんな事が楽しいのかい

    ずるり、と、君に近付く

    誰よりも何よりも美しい君
    笑顔をけして見せてくれなかった君

    こんな事か
    こんな事だったのか

    ああ、もう少し君を知りたかった

    #呟怖

  54. まだ帰れない

    見慣れた夜道はいつもの風景だ
    あの人この人も、いつも通りにすれ違う

    なのに、まだ、家に着かない

    出てから既に三時間は経っている筈だ
    あり得ない
    自宅まで三十分もないんだぞ

    いつもの道を通る
    通る

    なのに、まだ帰れない

    #呟怖

  55. ふ、と
    生臭いにおいが鼻をつく

    魚のにおいというよりも、磯っぽい……?

    辺りには、それらしいものは見当たらない
    そりゃあそうだろう
    此処は、都内の病院なのだ

    ついと顔を上げると、入院中の患者らしき人物がこちらを見ている
    包帯だらけの頭部を奇妙に揺らして

    磯のにおいが強くなった

    #呟怖

  56. お前はこう考えているんだろう?

     違うよ

    お前はこう思ってるんだろう?

     違うよ

    お前はこういう目的があったんだろう?

     全然違うよ

    反省しろ
    悔い改めよ
    お前が悪い

     聞 け よ

    ……母さんを殺した理由なんて、誰も聞いちゃあくれない。

    #呟怖

  57. 貴方のせいなのだと言われた。

    妻の葬式で。

    そうやって、僕を責めたのは元カノだ。

    妻が自死したのは僕のせいで
    元カノが鬱病を患ったのも僕のせいなんだそうだ。

    何を言っているんだ。
    馬鹿だな。

    妻が死んだのは

    あいつが弱かっただけだろう。

    #呟怖

  58. 指先の感覚は、もう無い

    次第に僕は色を失っていく
    モノクロームの世界

    白く
    白く
    白く

    僕の身体はうずもれていく

    やがて春になったらば
    君は僕を見つけて呉れるのだろうか

    やがて春になったらば

    #呟怖

  59. 蛍が沢山居ます

    柔らかい光がふわふわと漂ってます

    池のほとり
    暗闇

    おかあさん
    どれだけ経ったら来てくれますか
    また手を繋いでくれますか

    池へ続く坂道はとても急なので
    私ひとりじゃ息切れします

    おかあさん
    まだ泣いているのですか

    蛍の子が私を貪ります

    #呟怖

  60. 私は虫でした

    小さくて弱いので、すぐに死んでしまいます
    だから、牡蠣のような殻にこもりました
    私は私を守りながら、まどろみました

    やがて夜が明け、私は這い出ました

    私以外の人間は死に絶えていました

    私は確かに蟲だったのです。

    #呟怖

  61. 何か聞こえた。
    低い音。

    ぶぅーんぶぅーんと唸るような音。

    カンカンカンカン

    高い金属音。

    ギャギャ、ギャ

    耳障りな摩擦音。

    困ってしまったのは、僕の居る場所が、沖に流されたボートの上だという点だ。

    さて。

    #呟怖

  62. いますか?
    います
    いましたか
    いますよ
    どこに
    ここに
    いない
    どこよ
    わからない
    いるよ
    いたよ
    いたよ
    いたよ
    ほんとうに?
    いない
    いない
    いない
    いないよ
    たすけて

    #呟怖

  63. 西日が足元に散らばるチラシを照らしている。
    拾うと裏側に落書き。
    これは子供の頃の作品。大切に書き溜めていつかなくしたもの。
    チラシはノートになりスケッチブックに。
    最後に額に入った絵になった。
    これが僕の遺作。もう行かなくちゃ。
    ここは思い出の場所。僕の人生の全て。
    さよなら。
    #呟怖

  64. #呟怖 ( #返怖 可)

    文字盤に置いた10円玉に三人の指が添えられている

    「◯◯さんが好きなのは誰ですか?」

    わざと俺の名前をなぞろうとした

    だが、急に物凄い力で動いた

    「せ・ん・せ・い・や・め・て」

    ◯◯さんはその夜に捜索願いが出されていたらしい

    数日後、彼女は遺体で発見された

  65. #呟怖 ( #返怖 可)

    「ねえ、お母さん」

    「なあに?」

    「一緒に天国に行こうって言ったのに、どうして僕たち落ちてるの?」

  66. #呟怖 ( #返怖 可)

    その魔物はそばにいる

    その魔物は居場所を奪う

    その魔物は影で笑う

    【その魔物に嫌われると生きてはいけない】

    そう言われている…

    でも、誰も姿を見ていない

    魔物の名は「世間様」という

    そして

    その魔物は父にも母にもなる

    https://twitter.com/str_reo8/status/935875322611843074

  67. #呟怖 ( #返怖 可)

    姉は山の廃神社に捨てられてた

    父が育てた

    日暮れに父と私と姉とジュースを自販機で買って飲んでた

    【娘を返せ、私が産んだから私の物だ】

    異形の者が立っている

    「俺はこの自販機から出た缶コーヒーを飲んでるがな、コレはもう自販機の物じゃない」

    父はそう言って断った

  68. #呟怖 ( #返怖 可)

    人の不幸は蜜の味って言うけど、そんな事は無かったよ

    知人の家が火事になっても

    お隣の娘さんが崖から転落死しても

    従兄弟が水死しても

    そんな家族が途方に暮れ

    泣いたりやり切れない顔をしてるのを見ても

    なんだか悪い事をしちゃったな〜って感じしか湧かなったもの

  69. #呟怖 ( #返怖 可)

    夕餉(ゆうげ)の途中で

    「なんで殺したの?」

    という言葉が急に出た

    そんな事を言うつもりも無かったし、何で口を突いて、そんな言葉が出たのかも判らない

    ただ、両親がその瞬間固まり、しばらく動かなかった

    「何をいきなり言い出すの?」

    ようやく出た母親の声は震えていた

  70. #呟怖 ( #返怖 可)

    一生遊んで暮らせる金が欲しいと神様に頼んだら5千円くれた

    「それで足りるぞよ」

    これっぽっちかと悪態をついたが、行きつけのバーで支払った金が丁度その金額

    その帰り道に刺されて、今、気を失いかけている…

  71. #呟怖 ( #返怖 可)

    夜中に「幽霊が…」と患者が騒いでいるらしく、呼び出された

    病室に入り、窓際で怯えている彼女の肩に手を置いて言った

    「幽霊なんて居ませんよ、貴方の不安が作った幻影です」

    後ろで声がした

    「その人、私じゃないです」

    そいつが消えた途端、私の手はだらんと下がった…

  72. #呟怖 ( #返怖 可)

    春分・秋分は昼夜のバランスが合い黄泉路と往き来がしやすくなるという

    方陣を整え彼ハ誰時に死別した彼女を呼び出した

    だが日の光に崩れて溶けた

    半年待ち春分の黄昏時に同じ事をした

    再び彼女を呼び出せた

    彼女が俺を抱きしめた

    そして俺は方陣の中に引きずり込まれた…

  73. #呟怖 ( #返怖 可)

    今朝、出かける前にお婆ちゃんが

    「忘れ物だよ」

    とお金をくれた

    ポケットに入れる

    車に乗り込み出発

    高速を走っていて気付いた

    お婆ちゃんに覚えがない

    身内じゃない

    路銀と思ったポケットの中…

    一文銭が6枚?

    前方の確認が遅れた

    停車してる車両群を避けられない!

  74. #呟怖 自販機前で缶コーヒーを片手に煙草をふかしていると、男が現れ火を貸してくれと言った。ライターで火を付けてやると旨そうに煙を吐き出す。思うに人生ってやつは。男が言う。煙草と同じだ。気付いたらいつの間にか灰になってる。じゃあ幽霊は?と尋ねると、煙みたいなもんさと言って姿を消した。

  75. #呟怖 子供の頃の話だ。散歩中、愛犬が唸り声を上げた。朝靄の中、山麓の墓地へと続く畦道を、そろりそろりと下りる人影がある。白い着物と白い足袋。草履の鼻緒だけが、足元の彼岸花に似て艶やかに朱い。顔を見るな。直感的にそう思い一目散に逃げた。彼岸花を見るたび、あの鼻緒の朱をふと思い出す。

  76. #呟怖 芒が風に揺れる黄昏の野辺を歩いた。小さなお堂の傍らに、ひっそりと寄り添う影法師がある。来ぬ人を待つように、ただ静かに佇んでいる。落日の残照が西の稜線に沈み、やがて夜が彼の姿を隠した。お堂は無縁仏堂という。昔、この辺りで行き倒れた名の知れぬ死者達を弔い建立されたと後に知った。

  77. #呟怖 それは夕陽を浴びて紅蓮に燃えていた。舞い散る花びらはまるで火の粉だ。迷い込んだ山奥の谷間。見事な山桜が鎮座していた。一目で、あゝこれはいけないと思った。この世ならぬ美には魔が宿る。戻れなくなると慄き逃げ出した。ずっと昔の少年時代の記憶。

  78. #呟怖 負け戦であった。血刀をぶら下げ戦場を彷徨う。累々たる屍に群がるのは死肉を貪る餓鬼であろう。背中を追う野犬の飢えた息遣いと、硝煙に佇む死神の影。どいつもこいつも俺が死ぬのを待ってやがる。悔しいが力尽き斃れるのもそう遠くあるまい。茜空の彼方に鐘が鳴る。弔い鐘だとぼんやり思った。

  79. #呟怖 こんな夢を見た。風が虹色に渦巻く空に、ぼんやりと太陽がある。船頭らしき男にここは何処かと尋ねると、冥途の渡し場だと言う。また派手な冥途もあったものだ。ならば自分は死んだのか。まるで記憶にないが、死ぬなど案外そんなものかも知れぬ。暫し躊躇い、舟に足を掛けた処でふと目が醒めた。

  80. #呟怖 祖父は猪撃ちの名人だった。あるとき大物を仕留めた。近付こうとすると猪の腹がぱっくりと裂け、そこから黒い人影がずるずると這い出して来る。そいつは祖父に顔を向けるとにやりと嗤い、山の奥へ姿を消した。山にはときどき得体の知れないモノが出る。この話をするたび祖父は決まってそう呟く。

  81. #呟怖 このところ怪談執筆に集中していたせいか妙に肩が凝る。頭が重い。そんなの書いてるから何かに憑かれたんだろ、お祓いに行けよと友人にからかわれたが馬鹿を言うな。自宅に帰り鏡の前に佇む。私の背後に大小の顔が幾つも浮かんだ。こいつらのお陰でネタに困らないんだ。祓ったりなどするものか。

  82. #呟怖 屋根の上でホウホウと啼く声がした。梟に似ているが違う気もする。あれは何の鳥だろうと妻に尋ねたが、何も聴こえませんよと言われた。少し気味が悪い。その夜、急に胸が苦しくなり倒れた。妻が救急車を呼ぶ向こうで、ホウホウと啼き声がする。あゝそうか。俺の死を告げに来たのだな、と思った。

  83. #呟怖 隣室の女性が幽霊だと知ったのは最近のことだ。驚いたが別に悪さをするでもなし、引っ越す金もない。夜中にときどき小さな歌声が聴こえる。その夜は必ず哀しい夢を見る。いつしか歌声は聴こえなくなり、女性の気配も消えた。知らず覚えたその歌をときおり口ずさむが、哀しい夢はもう見ない。

  84. #呟怖 ええ、うちの神社は確かにウツクシ神社言う名前です。せやのに事故で腕落とさはったと。こちらさんは脚。お気の毒なことです。皆さん勝手に美神社やと勘違いしたはるんですけど、正式には「有通供肢」と書きます。万葉時代に、贄として納められた手足を鎮めるために創建された神社なんですわ。

  85. #呟怖 初めて訪れた夫の実家は、それは立派なものでした。旅館と見紛う母屋に、建ち並ぶ蔵。けれども不思議なことに、義両親も義兄夫婦も農機具小屋の上に縮こまって住んでいるのです。部屋数多い母屋は掃除が大変で、と義母は話すのですが、では毎夜母屋へ運んでいる御膳のご馳走は何なのでしょう。

  86. #呟怖 
    おうどんや。膝上の二歳の息子が、隣の男性を指して言った。しかしここは電車の中である。うどんなど何処にもない。隣人が怪訝な目をこちらに寄越す。
    おうどんや。繰り返した息子が、隣人の口許から何かを引っ張る仕草をした。
    突如男性は前向きに倒れ、そのまま絶命した。我々は逃げ帰った。

  87. #呟怖 この間、うぢほの寺の仏様さ拝んでらんだばって「それさ偽物だじゃ」て声がするのさ。振り返るど全く同じ格好の観音様さ居る。仏壇からは「騙されるんでねど」て言われる。わ困っでまっでの、二つとも叩き割っだのよ。その日からよ。わが観音様になっでまった。ところでおめ、わの偽者でねが?

  88. #呟怖
    久方に帰省した彼は、獣臭さに顔を顰めた。住まうは祖母のみ、犬猫も居らぬ。
    直に彼は、神棚の扉が開け放たれているのを見つけた。畳に飛び散る黒い毛、白い歯。
    ぐるる。髪を振り乱し四つん這いになった祖母が飛び掛かる。亡き祖父は何を祀っていたのだろうか。噛み跡を見せつつ彼は語った。

  89. #呟怖
    お春の寝床を取り囲みしは、幾つもの糸引く水溜まりであった。シタタリ様の御印だと村人は騒いだ。
    馴れぬ白粉、口に紅、綺麗なべべ着てお春は往った。頬に一筋、雨垂れ残して。
    山を分け入り尚も往く、その眼前に肉布団が降りてきた。なるほど舌垂り様だ、とそれに巻かれながらお春は思った。

  90. #呟怖
    祖父の遺品整理をするべく、妻と共に蔵に入った。碌なものはなかったが、埃に塗れた鎧櫃を片隅に見つけた。
    金になるかもしれない。漆塗りの蓋を開けると、血走った眼で髪を振り乱した妻の生首が納まっていた。思わず振り返ると、首から上の無い妻が床を転げ回っていた。ばったん、ばったん。

  91. #呟怖
    児相の連中が那玖亞を連れてった。背中のアザはアタシが付けたとか言って。娘を愛する母親になったんだから、そんなのあり得ない。
    夜。アタシの布団の中を何かがうごめく。やっと二人になれたね、ママ。とうに死んだはずの我亞羅が言う。紫色に膨らんだ顔の、折れた歯の隙間から舌を垂らして。

  92. #呟怖
    「出張中、本は読んでいいしパソコンも好きに使っていい。でも、デスクの抽斗だけは閉めといてね。古いからさ。独りでに開いちゃうんだよ」
    そう話す夫の背後で、件の抽斗から長い黒髪がぞろりぞろりと出てくるのを私は見てしまいました。舌打ちをして、後ろ手に勢いよくそれを閉める夫の姿も。

  93. #呟怖
    「炉が痛むから棺桶に金属入れんなって言ったのお宅だろ?六文銭無しじゃやっぱ三途川渡れなかったじゃねぇか。奪衣婆に衣剥がれて、ずぶ濡れで毎晩出てくんだよ、枕元で睨み付けてくんだよ」
    毎夜留守番電話にメッセージが入るのだが、当方は斎場でも葬儀社でもない。電話を返す勇気もない。

  94. #呟怖

    本心は、言葉よりも表情に出てしまうものですよね。
    終始笑顔を絶やさない人の瞬間に見せる真顔とか、店員さんの会計の後の表情とか…
    気にしてさりげなく見ると悪魔の顔になっていて怖い時があるけれど、私は「人間らしい」と思うようにしています。
    だから、彼氏の浮気相手を見る私の表情も…

  95. #呟怖

    同じアパートに住んでたご夫婦の奥さんが失踪。
    夫の方は私の会社の上司で、奥さんの行方について聞かれたが、私には全く分からなかった。

    その後他県に転勤になり偶然奥さんに会った。
    「DVが酷くて逃げた。まだ追われてる」との事

    その上司が出張で来た。聞かれたが「知らない」と答えた

  96. #呟怖

    あなたは、自分の家の中でどこが一番怖いですか?

    ベットの下?それともクローゼット?

    お風呂場とか階段も音がして怖いですよね。

    あなたにもきっと霊の気配が感じられるはず…

    近くに居るとすれば、あなたの後ろですから…

    ほら、息遣いが…

    今、後ろが気になった方、
    居ますよ…後ろ…

  97. #呟怖

    小学6年の時、みんなで校庭で遊んでいると、その中のY美ちゃんの母親が来た。
    「お菓子買ってあげるからみんなY美の言う事をちゃんと聞くのよ」

    子供ながらにこの親おかしいと思った。

    成人後飲み会の時、隣から声が聞こえてきた。
    「おごるからK君は私のもの」

    Y美だった…母親と同じ

  98. #呟怖

    時代劇を見ていたら、やたらと人が斬られていく。
    刀とか短剣とか、昔の人は簡単に斬られて簡単に人生が終わってる。

    斬られるってどんな感じ?
    すぐに息絶えるの?
    苦しみは?痛みは?
    斬るってどんな感触?

    私の想像が欲望に変わり骨董店へ。刀を手に入れた。さて何を斬ろうかな…
    あっ…

  99. #呟怖
    アパートのベランダでタバコを吹かしていたら、妙な匂いが隣の部屋から匂ってきた。

    隣室はたしか空室だったはずだ。

    「鼠や鴉でも入って死んでるのか?」

    隣を覗こうと身を乗り出す。

    そこにはニタニタ笑う女がいた。
    女は俺を掴むと、勢いよく引き摺りだした。

  100. #呟怖

    中学生の時、夜中に近所で火事があり全焼。中学の理科の先生の家だった。
    前日の授業中に、先生の顔を見たら、顔が歪み髪の毛から煙が出てた。

    数日後、その先生の顔が、点滅して見えた。
    笑顔と泣き顔とドクロが
    次々と順番にフラッシング

    翌日先生は事故で複雑骨折。

    あれっ、あなたの顔…

  101. #呟怖
    深夜になると誰かがドアをノックする。ドアを開けても誰もいない。
    そんなことが連日続いた。

    友人に頼み込み、寝ないで二人で張り込むことにした。

    その日の深夜。

    ノックの音が聴こえてくると、友人は震えだした。

    「なぁ…この音」

    友人は言う。

    「部屋の中から叩いてないか?」

  102. #呟怖
    最近、息子の様子がおかしい。
    目が虚ろで話しかけても目を合わさず気のない返事をする。妻に聞いてみてもいつも通りだと答える。
    仕事で家をしばらく空けたときだった。
    息子が自殺したと警察から電話を受けた。どうやら妻が日常的に虐待をしていたのが原因らしい。
    あいつも虐待していたのか。

  103. #呟怖
    一人暮らしをはじめてから、俺はトイレ掃除を週に一度は欠かさずやっている。風水とかわからないが、こうゆう心掛けが心身を清くしてくれるんだろうと俺は信じている。今日もブラシを持って、便座をあげ掃除をする。
    「いつもありがとう」
    便器の中から女性の声が聴こえた。
    …引っ越そうかな。

  104. #呟怖

    本屋で見かけた女性になんとなく見覚えがあった。
    テレビで騒がれていた指名手配犯にそっくりだった。
    彼女は、全国道路地図を見ていた。
    他人の空似かもしれない…
    確信はない。
    心臓がバクバクと高鳴る。
    しかし目が合うと出て行ってしまった。
    ただ、殺した感想を聞きたかっただけなのに…

  105. #呟怖
    新生活。
    向かいのアパートで若い女性が一人暮らしをしているようだった。いけないとはわかっていても窓越しで向こうの生活を覗き見るのが俺の趣味になった。
    そんなある日、カーテン越しに彼女が首を吊ろうとしているのが見える。急いで彼女のアパートに向かうが、そこは空室だった。

  106. #呟怖
    俺は事故物件に住むのが趣味だ。
    ラップ音や金縛りに合うたびゾクゾクするし、それを面白可笑しく周りに話すのがどうしようもなく好きだ。
    今回住むアパートはどうだろうか。
    三日目の深夜だった。
    恨めしそうな女が枕元にやってきた。これは期待ができそうだと思っていたが、それは人間だった。

  107. #呟怖
    亡くなった友人の声が聞こえた。
    呻くような悲痛なものだった。
    彼は何を伝えたかったのだろうか。
    「また会おうよ」
    僕は靴を脱ぐと、飛び降りた。

  108. #呟怖
    一人暮らしをはじめた友人のアパートに遊びにいった。
    「壁が薄いからか、周りの生活音が気になってさ」
    夕方になり、足音や子供の声など聴こえてきた。確かに…ちょっと騒がしい。
    俺はそろそろ帰ることにした。

    「また来てくれよ」
    友人がドアを閉めると、さっきまでの騒音がぴたりと止んだ。

  109. #呟怖
    幽霊がいるかわかる方法。
    自宅を想像して玄関のドアから入り、ひとつずつ部屋を確認していく。

    そこで誰かと会えば、そこにいるという話だ。

    ワンルーム住みだから、一瞬で終わるが好奇心でやってみた。
    目を閉じて想像する。

    玄関のドアを開けると、笑いながら俺の首を絞める女がいた。

  110. #呟怖

    「言い訳しないでよ!
    私のことストーカーして、付け回したり会社で彼氏だとか言いふらしたり、ほんと嫌なんだけど!
    ちょっと、ちゃんと聞いてるの?
    またニタついてるわ!
    腹立つ!」

    「全部あんたのせいだからね。私、悪くないからね。
    あっ、私言い訳してる。
    まず謝るわ…
    殺してゴメン」

  111. #呟怖
    友人からCDを借りた。曰く付きのものらしい。ラジカセにセットするが、何の音もしない。じっと待っていたんだが、一時間経ってもくるくる回るだけで俺は疲れて寝てしまった。
    キュルキュル…
    目が醒めると、たくさんの人影が俺を囲っていた。
    CDは幽霊を呼ぶためのものだと、そのとき気づいた。

  112. #呟怖

    夕方、父が犬の散歩に出た時

    土手で、近所の顔見知りの女性とすれ違い、軽く挨拶を交わした

    ありきたりの光景

    父はそのまま土手を歩いて程々で引き返す

    ふと見ると、川の中央に大きな物体が流れてきた

    それは先程すれ違い挨拶を交わした女性だった

    橋に遺書が残されていたそうだ

    実話

  113. #呟怖

    職場は分煙で喫煙室がある。
    急用で喫煙室に行くと
    壁に人型が出来ていた。
    「うわぁ、何これ?」
    「それMさんの定位置で、いつの間にか人型が出来たんだよ」
    「亡くなったMさん?」
    「壁の口のあたりから時々煙が出てるんだ…多分吸いに来てるよ」
    「Mさん焼死だよね…タバコの火が原因で」

  114. 「くそっ…振り切れねぇ…」
    走り慣れた峠道。誰かがオレを追いかけている。
    急カーブが目の前に迫り、オレはブレーキを踏んだ。
    その瞬間、何ががヘッドライトに照らされた!

    ーそれはババアだった。

    ババアはニヤッと笑い、闇の中に走り去っていった。
    オレはその日限りで走り屋を辞めた。
    #呟怖

  115. 「おかえり。あらその子は…?」
    「何を言って…うわぁ!?」
    バタバタと家の中を何かが走り回る音がした。
    「あなたについてきたのかしら?じゃあご飯をもう一人分用意しないとね」
    妻はあっけらかんに言った。
    その日から僕の家は少しだけ賑やかになった。
    #呟怖

  116. 「水たまりは別の世界への入り口なんだよ」
    そう言い残して行方不明になった友人がいた。
    足元からパシャと水の弾ける音がした。
    「今日もダメか…」
    あれから水たまりを見るとついつい飛び込んでしまう。水たまりに飛び込めばまた彼に会える、大人になった今でもそんな気がしてならないのだ。
    #呟怖

  117. 夜中にそっと家を出ます。
    どうやら私は他人には見えないものが見えるらしい。そのせいでいつも一人だ。
    でもこの時間だけは一人じゃない。周りに気を使うことなく話すことができる。
    他の人には見えない私の友達と。
    #呟怖

  118. ある雨の日、僕は自転車で帰っていたのだが急にペダルが重たくなった。
    その瞬間鳥肌がたった。
    「乗せて…」
    か細い女の声が聞こえた。
    「…どちらまで?」
    気が動転した僕はそんなことを言ってしまった。
    「駅まで…」
    無事駅に着くとペダルが軽くなった。
    #呟怖

  119. 昔、地元の山で子供が行方不明になった事があった。
    幸い次の日には見つかったのだが、救助された子供が妙なことを言っていた。
    「おきつねさんがたすけてくれたの」
    そう言って大きなイチョウの葉を見せた。
    #呟怖

  120. 「先輩、なんで雨も降ってないのにワイパー動かしたんです?」
    「いいのよ。もうすぐ降るから」
    僕は釈然としなかったが、その後本当に雨が降り出した。
    「なんでわかったんですか?」
    「今日はおめでたい日なのよ」
    そう言った先輩は車内に飾ってあるイチョウの栞を眺め、優しく微笑んでいた。
    #呟怖

  121. 奇遇ですね、こんな所で会うなんて。
    奇遇ですね、帰り道も一緒だなんて。
    奇遇ですね、お隣同士だなんて。

    本当に奇遇ですよね、あの夜貴女がトランクの中身を湖に沈めた時、僕もそこに居たんです。
    大丈夫、口外はしません。

    だからね、分かるでしょ?

    気付いて欲しいんです。
    僕の想いに。
    #呟怖

  122. …安置所で見た通り、貴女のお姉様には作り物とは思えない様な”触覚”があります。背中に蛇目蝶の羽も。誘拐された他の子達もそうです。顔と手が蟷螂だったり、百足の様に脚が沢山、それに芋虫…。犯人ですか?今全力で捜査中です。署内が静かでしょ?

    で、どんな蟲になりたいのかなあ?
    君は。#呟怖

  123. 雨に濡れそぼつ骨を道端に見た。白じろした丸みを滑る滴はまるで啼いているようで、思わず持ち帰ってしまった。
    随分小さな髑髏だ。眺めながら、その顔の在りし日を思い浮かべる。さぞや美しかったろう。
    余りお見つめにならないで、と声を聞いた気がした。翌朝、髑髏に長い黒髪が生えていた。

    #呟怖

  124. #呟怖
    満員電車の中、目の前に座る女性を見降ろしていた
    なかなか美人のようだ
    そう思っていると、顔を上げた女性と目が合ってしまった
    彼女は私を見ると表情を硬くし、プイッと視線を逸らす
    そんな嫌わなくても…
    すると携帯を取り出し物凄い速さでメールを打ち始めた

    うしろ
    おとこ
    はもの

    にげて

  125. #呟怖
    妻は人のいい女だった
    浮気しても金を使い込んでも文句一つ言わない
    最後は道路に飛び出た子供を庇い
    車に轢かれて死んだ
    その後、毎晩枕元に立ち謝り続けている
    ごめんなさい。ごめんなさい。
    煩わしくなり
    もういいよ。と言った
    妻は笑みを浮かべ俺の首にそっと触れる
    今度は貴方が謝る番よ

  126. #呟怖
    祖父は言う
    「庭の納屋には入るなよ」と
    冒険心をくすぐる言葉だった
    夜な夜な、鍵を盗み納屋の扉を開く
    縛られた女性がいた
    ウネウネと動き
    嗄れた声で笑い続けている
    「見ちまったか」
    背後から祖父の声がする
    ねぇ、この人は誰?
    「おめぇの母さんだ」
    じゃあ、僕を育ててくれたあの人は誰?

  127. #呟怖
    影が喰われる病をご存知だろうか?
    病原体は影から影に感染し、少しずつ捕食する。
    影の主に痛みはないが、喰われた部位は二度と動かない。
    治療は不可能。だが大きな影の中に隠れることで進行は遅くなる。
    この街の地下には沢山の人々が眠っているそうだ。より大きな影に救いを求めたのだろう。

  128. #呟怖
    ある日、彼女に首筋の痣を指摘され大ゲンカになった
    身に覚えがないが信じてもらえず
    険悪な雰囲気のまま帰宅
    イライラして寝付けなかったが、電気を消して目を瞑っていた
    深夜、ガタン。という音がする
    今のは…クローゼットの開く音だろうか
    薄眼を開けると、知らない女の顔が目の前にあった

  129. #呟怖
    ホームに響くアナウンスを背に
    黄色い線を越え
    そして白線を越えた
    あと一歩で
    彼女のいない苦しみから解放されるはずだった
    不意に背後から抱き締められ
    思わず歩みを止める
    目前を通過する電車
    涙を流し、立っていられなくなった僕は
    少しずつ冷めていく腕の温もりをいつまでも探し続けていた

  130. #呟怖
    幼い頃の私はよく悪夢を見ていた
    悪霊が笑みを浮かべ私を手招きする夢

    「お祖父ちゃんは寂しがり屋だけど優しい人だった。貴方をきっと見守ってくれてるわ。」

    泣きついた私に、母はそう言ってアルバムを見せてくれた
    写真の中で母を抱き、亡き祖父は笑っていた
    夢の中で見た時と同じ笑顔で

  131. #呟怖
    彼女を殺してしまった
    全て夢ならよかったのに

    そう思った時、意識が吸い込まれ布団の中で目覚めた

    よかった
    全部夢だったんだ

    さぁ1日を始めよう
    あんな想いはもう二度と御免だ

    合鍵で彼女の家に入る
    知らない男と彼女が裸で眠っていた

    彼女を殺してしまった
    全て夢ならよかったのに

  132. #呟怖
    「かごめかごめ」

    友達4人と遊んでいて、ワタシが鬼役になった時
    こっそり薄目を開けて、友達の靴を確認していた。

    赤、ピンク、ピンク、白、はだし
    赤、ピンク、ピンク、白、はだし
    赤、ピンク、ピンク、白、はだし

    歌が終わり、靴を履いてない友達じゃない「ダレカ」が後ろに立った。

  133. #呟怖
    祖父はお茶が好きだった
    仏壇に茶を供えると
    誰も触れていないのに茶碗がひっくり返っていた
    「お祖父さん、熱いお茶が好きだったからねぇ。」
    そう言って祖母が淹れ直すと
    次見た時には茶が減っていた
    祖母はそれを見て
    「世話がかかるねぇ。」
    と嬉しそうに微笑みながら
    今度は茶菓子を供えた

  134. #呟怖
    昨日、帰国した友人の話。

    留学先に、気になるストリートミュージシャンがいたという。

    演奏はそこそこ上手く、陽気なメロディーは気に入ったが、問題は歌詞。

    『俺は人嫌いだ。死ねばいいんだ全員。俺が殺してやる。お前も殺してやる』

    ……さっきから店の外で、ギターの音が聞こえる。

  135. #呟怖
    結婚の挨拶に行ったら神主の義父に殴られた
    「憑き物を祓った。」とか言われたがマジで痛かった

    数年後、病に倒れた義父は
    最期に俺の顔を見ると泣き顔で一言
    「悪かったな…祓ったってのは嘘だ。」

    その言葉に皆が泣いた

    俺だけは義父の言葉の意味に気付いていた
    この身体は今も蝕まれている

  136. #呟怖
    コンビニから帰宅したら
    自宅前にボロを纏った少女が、うずくまっていた。

    やせ細った少女に同情を覚えたので、俺はパンを差し出しながら

    「食べるか?」とたずねた。

    すると少女は満面の笑みを浮かべ、俺に抱きついた。

    「いただきまぁす!」

    少女が、俺の首筋に噛みついた。

  137. #呟怖
    「次から次へとラブレターが届いて困っちゃうぜー(笑)」

    そう言って笑う友人の周りには、散らばった無数の広告紙。
    裏側には、書き殴られた文字が。

    ずっと前から好きです。好きです。
    好きです好きです好きです好き好き好き好き好き好き好き好き

    僕の前で、友人は広告裏にペンを走らせる。

  138. #呟怖
    弁護士 と 死刑囚

    弁「俺には理解出来ない。
      どうして……四人も女性を殺して、食べてしまったんだ!?」

    死「え~? ホントに愛してたし、人を食べたくって」

    弁「愛していたんだったら、死体を永久保存しておけよおぉおおおお!!」

    死(……コイツ、ヤバイ奴だったんだ)

  139. #呟怖
    産まれたての子牛が立ちあがり、僕達畜産科の生徒の顔を見回した。子牛の首から上は牛のそれではなかった。二ヶ月前、首を吊った担任の顔。そいつが告げた。お前らは卒業できず死ぬ。直後、母牛が産まれたばかりの我が子を踏み潰した。踏まれたての化け物から嗅いだことのない悪臭が立ち昇った。

  140. 家のチャイムが鳴らされた。玄関に出てみると、宅配便のようだ。
    「こちら、お届け物です」
    すると、彼はおもむろに箱を開ける。私は声にならない悲鳴を上げて立ち尽くした。そこには、干からびた赤子のようなものが。
    「貴女が堕胎した子供が産まれる頃合いになりましたので、お持ちしました」

    #呟怖

  141. 君に嘘を吐いた。
    「一生、君と一緒に居るよ」
    屋上に置いた花束が、風に揺れる。紅色に塗れた服を着て、青白い顔をした君が、嬉しそうに笑った。
    僕は一歩踏み出した。嘘を本当にするために。僕の身体は重力に引かれ、雲一つない青空が足元に広がった。

    #呟怖

  142. 隣に新しい人が引っ越してきた。薄い壁越しに聞こえる声は、どこの国の言葉かさっぱり分からない。挨拶もなく、会う機会もないが、ずうっと彼の早口な声が聞こえてくる。
    ぼうっと天井を見つめていたその時、気付いた。

    隣から漏れ聞こえる声は、とても早口に私の実家の住所を唱え続けている。

    #呟怖

  143. 「面白い蛙がいるから見にこいよ!」
    友人の家に呼ばれたので、遊びに行ってみた。

    そこには、頭に草のようなものを乗せた蛙が。
    「宿り木、って奴を蛙に乗せたんだ。今じゃメシ抜きでも光合成だけで生きていけるぜ」

    友人を見ると、深く被った帽子の隙間から蛙と同じ葉がちらと覗いていた。

    #呟怖

  144. 貴女と私は結ばれぬ運命。私は所詮は異形であり、人の死体を喰らうことで生き長らえるのであります。
    愛する者の亡骸を前にして、悲しみよりも先に食することを考えたのです。
    煌々と輝く満月の下、喰らう貴女の亡骸はとても美味でございました。

    #呟怖

  145. さて、100万円を10倍にできるチャンスが巡って参りました! 失敗すると、100万円と大切なものを失いますが、宜しいですか?

    では問題です! この4つの音声のうち、あなたの奥様の右足親指を潰したときに発した声は何番? …3番、よろしいですか? …残念!3番は左目を潰した時の声でした!!

    #呟怖

  146. 今話題のパニック映画を観るため、映画館に行った。

    舞台はとある田舎。突如現れた謎の生物に襲われる話だ。
    気になるのは、その町。見覚えのあるコンビニ、農道、…俺の家?
    現れる両親…嘘だろ? 途中退席し慌てて親父に電話をする。

    退席した会場から、親父の携帯の着信音が鳴り響いた。

    #呟怖

  147. 隣の犬が時間を問わず吠えるものだから煩くて眠れない。
    煩い煩い!犬を殺して土に埋めた。

    隣人が犬を殺したことを咎めるものだから煩くて眠れない。
    煩い煩い!隣人を殺して土に埋めた。

    殺したはずの隣人が殺したことを呪うものだから煩くて眠れない。
    煩い煩い!僕を殺して土に埋めた。

    #呟怖

  148. 夜爪は縁起が悪い。
    そのため僕は、夜に爪切りする際は「この爪は猫の爪」と唱え、猫に罪を被せてから切っている。

    最近は仕事が忙しく、この言葉を唱えながら爪を切ることが俄然増えた。

    ああ、また爪が伸びてきた。
    そろそろ僕専用の爪研ぎ器を買ってこないといけないかもしれないな。

    #呟怖

  149. 家の猫が死んだ。トラックに轢かれ即死だった。とても可愛がっていたので、本当にショックだった。

    ある日、一人で部屋にいると、奥の部屋からチリン、と鈴の音がした。死んだ猫につけていた鈴の音だ。
    奥の部屋は、アイツの定位置だった座布団がある。

    まだアイツはあそこにいるのだろうな。

    #呟怖

  150. 手を差し出しても届かない。
    夜空を泳ぐ君はまるで魚のようで。

    この瞬間だけが私の生き甲斐。
    けれども長くは続かない。

    やがて夜が明け日が昇る。

    意識を取り戻す。
    病室の中。

    家路に帰る。
    私はまた睡眠薬を飲み続ける。

    繰り返す夜の帳。

    #呟怖

  151. 彼に「俺への愛を証明してみろ。」と言われたので四肢を切断し「これで貴方の傍から離れられないわ。」と言った。

    だが彼は私を醜いものを見るかのような目で見る。

    私はそんな彼を見て発狂した。

    机から銃を取り出す彼。

    発狂する私の額を銃弾が撃ち抜いた。

    #呟怖

  152. 私は旅に出る。
    リュックには大好きな絵本にお菓子、タンブラーにはベルガモットの紅茶を入れて。

    青空を見ながらスキップする。

    両足が地面から離れた時私は地上へと落ちていく。

    私が旅に出る理由。

    それは、

    「世の中がつまらないから。」

    #呟怖

  153. 「ご利用の階数と要件を」

    「25階まで、戦時中に亡くなった主人に会いに」

    そう言うと老婆は微笑んだ。

    そしてエレベーターの止まる音と共に扉が開く。

    「ありがとう!」

    エレベーターを降り、25歳の頃に戻った老婆はそう言って駆けて行った。

    僕は時の案内人。

    #呟怖

  154. 娘の大事にしていた人形を燃やした。

    事故で娘を亡くしてから夜な夜なこの人形が私の枕元に来ては「パパ…」と囁く。

    違う。君は私の娘ではないんだ。

    燃え盛る炎の中

    「熱い!熱い!熱い!熱い!熱い!」

    人形は泣き叫ぶ。

    私は二度も娘に手を掛けた。

    #呟怖

  155. 【容疑者Aの供述】

    馬鹿にされて笑われるのが嫌だった。

    辞めろって言ったんだ。

    でもそんな事向こうからしたら関係ない事。

    だから殺した。

    何回も何回も何回も何回も何回も何回も何回も何回も何回も何回も何回も刺して。

    この時初めて笑顔になれた気がしたんだ。

    #呟怖

  156. 山道を歩く。
    枯葉を踏みしめる音。
    息遣い。
    鳥の囀り。
    獣の気配。

    やがて霧が濃くなる。

    鈴の音と微かに見える先行者を頼りに歩く。

    「リン…」という鈴の音と共に先行者の姿が視界から消えた。

    春にはこの山の桜は他とは比べ物にならぬ位綺麗な桜が咲くそうだ。

    #呟怖

  157. #呟怖
    目覚めた後、まどろむ頭をよぎる夢の記憶。

    またいつもの図書館で、鬼ごっこの続きだった。
    漆黒の書庫の中、書架の隘路を泣きながら逃げ惑う私。
    今度の「鬼」は、鋏ではなく、焼きごてを…。

    寝汗で濡れた掌を返すと、爛れた拳が震えている。
    「マタ、アソボウ。」
    耳元で囁かれた気がした。

  158. #呟怖
    朝、いつものように目覚ましに起こされた。
    アラームを切る為に手を伸ばすが、
    「ベチャ」
    と柔らかい感触。
    振り向くと、肉付きのいい坊主頭が血まみれで笑っていた。

    バッと目を覚ますと、目覚ましが鳴っている。
    「夢か」
    冷や汗を拭うと、

    「やあ」
    とすぐ横から声がした。
    振り向くと…。

  159. #呟怖

    久々に自作の怪談を投稿したくなり、過去の自作品を見直す為、SNSを開いて、驚いた。
    アイコンや作品はそのままで、ペンネームだけ未知の文字に変わっている。

    なりすましか?
    恐る恐る、その名前を検索すると、ヒットした…。

    プロフィールには一行だけ。翻訳すると…

    「ここから出して!!」

  160. #呟怖
    痛い、痛い、もうやめてようっ!!
    何でママを食べようとするの。皆、きちんと可愛がってあげたじゃないの。

    「またあの患者さんか。」
    「猫を40匹、多頭飼いしてたお婆さんでしょう?ずっと寝たきりで、毎晩うなされているのよ。」
    「ああ、寝煙草で全焼した猫屋敷の…。お気の毒ねぇ、猫が。」

  161. #呟怖
    俺には、生前の記憶が残っている。

    俺は長い顎髭の老人で、2人の幼児に手を引かれ、裸で河原を歩いていた。白い枯木の前に着くと、頭に水を注がれ、瞼を閉ざされた。

    次に目を開けたら、俺はお袋に抱かれた赤子だった。

    あの子らの手の温もり、忘れられんなぁ。

    ある末期患者の回顧録より

  162. #呟怖
    「屋上から、患者さんが飛び降りたらしいよ。」
    「嘘でしょ!?」
    「朝になって気づいた時には、血溜りだけだったって。」
    「えっ、生きてたの?」
    「それがね、引き摺った血の痕を辿ると、この建物のすぐ裏の隙間に続いてたのよ。」
    「嘘!?あそこ猫も入れない位狭いじゃん。」

    入院棟の噂話より

  163. #呟怖
    私が育った集落には禁足地があった。
    大人達は、大蛇や底無し沼等、嘘の噂を流し、お定まりの脅し文句で子供を遠ざけた。

    幼い私が、好奇心に負け、覗いたものは…

    噎せ返る息、弾む肉体、家畜のお面を着けた男女と異形の野合だった。

    「ここの子じゃなくなるよ。」

    脅しは嘘ではなかった。

  164. 同僚の眼鏡はいつも汚れている。
    私が拭かないのか訊くと、彼は答え辛そうに「…俺、いつも目潰しされてて」
    彼は眼鏡を外すと痛い!痛い!と言いつつ素早い動作でレンズを拭き、掛け直す。が、みるみる内にレンズの外面が指紋で汚れていく。
    去年飛び降り自殺を野次馬して以来、この通りらしい。#呟怖

  165. 呟怖制作に疲れ、気分転換に河原を散歩中、道端で小さな子が二人、黄色い声を上げ花を摘み遊んでいた。
    今時珍しいなぁ。内心微笑みながら横を過ぎると
    ーおいし〜ね!
    ーうん!
    彼女らの口元に一瞬、バッタの様な昆虫の羽根と足が見えた。
    …#呟怖 なんて考えているから変な見間違いするんだよ…な。

  166. 母「引きこもらないで出てきてよ!」
    子「嫌だ!部屋の前に顔の曲がった女がいる!」
    母「いないよ!」
    父「出てこい!」
    父が扉を蹴破る。直後両親は、後ろから二人の間を抜け部屋へ入る何かの気配を感じた。
    子「うわァァァ‼︎‼︎」
    7年が経つ。発狂した表情のまま息子の意識は未だ戻らない。#呟怖

  167. 帰宅すると玄関に彼の靴を見つけた。同時に彼からLINEが届いた。
    ー誕生日に悪い!少し遅れる^^;
    隠れてるのかな?靴隠し忘れるなんて…笑
    クローゼットから服がはみ出てる!発見!
    開けると…嫌な匂い。滅多刺しにされた彼の惨殺死体があった。
    「誕生日おめでとう」背後から男の声が聞こえた。#呟怖

  168. 高校で尿検査があり、おしっこを鞄に入れて登校しました。教室に荷物を置き、友達とお手洗いを済ませ女子トイレから戻ると、担任が大きな箱を持ち、丁度回収中。私も提出しようと鞄を開くと
    ーあれ?
    袋はなく、その代わりに殴り書きのメモが入っていました。
    〈ちょっと苦くて美味しかったよ♡〉#呟怖

  169. 今夜は急患が多い。次の男性は森に倒れていたらしい。
    処置室へ入りCTを見て絶句した。体の内側に別人物が写り込んでいた。
    ナス型の頭に…細長い手足…この造形まるで…
    目を凝らすと異常は消えた。疲れているから変な見間違いをするのだろう。
    久しぶりに6時間寝た。起きテから頭ガ…重ε~∂(๑ #呟怖

  170. 「あれ?掘りゴタツやめたんだ」
    足を伸ばして私が訊くと
    「うん…掃除が大変で」
    珈琲を淹れながら娘が答えた。
    「急に来て悪いね。健君は?」
    「また就活中で…今日も面接」

    後日、娘が殺人容疑で逮捕された。
    口論の末、旦那を殺害。掘りゴタツの中に遺体を納め、板を敷き隠していたという。#呟怖

  171. 【あとがき】
    殺人者の手記って売れるじゃない?逮捕と引換えにベストセラー作家。長年売れないと心が歪むね。
    自首する予定でしたが、渾身の作品をケナす憎々しい編集の命乞い…爽快で…。誰かの人生を俺のこの手で終わらすって…ヤベェ!!
    いつも白い目で見てくる隣のババアも…殺っとく?笑 #呟怖

  172. #呟怖
    「外が、どうも騒がしいな。」
    ベランダから聴きなれない声が聞こえる?

    窓を恐る恐る開けてみると、オウムが屋根に鎮座していた。
    「どうした。逃げてきたのか?」
    と茶化してみた。

    「アンタハモウ、ヨウナシ。」
    と言い残し飛んでいった。

    昔、私が手にかけた不倫相手の最期の声色だった。

  173. #呟怖
    あなたはウソツツキを知っていますか。嘘松ツツキという別名もあります。SNSで嘘っぽい話を呟くとキツツキのイラストのアイコンにリプで矛盾を指摘されるらしいんです。呟きが真実だと証明できない場合、アカウントを消されます。アカウントを消された人はリアルでも行方不明になるようですよ。

  174. #呟怖
    祖父は小学生の頃、悪の組織の秘密基地と噂される廃墟に忍びこんだことがある。中に入ると誰もいないはずなのに騒がしい。少し年上の少女達が手漉きの和紙を糊で貼りあわせている。すぐに少女達に見つかり追い出された。しばらくして廃墟の取り壊しが決まり、祖父は風船爆弾という兵器を知った。

  175. #呟怖
    夫を見つけてくれて感謝します。雪解けの季節ですものね。えっ、息子が遺体の場所を。そうですか、あの子の夢枕にあの人が。あの子、夫に浴びせた言葉を悔いてましたから仲直りできたようで安心しました。あの子にお伝えください。パパは空の上から、ママは塀の中からずっと見守っていますよと。

  176. 或る村では、娘達は眠る時必ず面を着けるという。なぜなら寝顔に死化粧を施す亡霊が出るからだ。化粧をされるとその日の内に死んでしまう。喘息のある娘は息苦さで面を千切り、半分だけ着け眠った。すると翌朝、娘は魂が抜けた様に動かなくなっていた。
    その唇には、鮮やかな紅が引かれていた。#呟怖

  177. #呟怖
    目覚めると妻が枕元に座り、恨みがましい眼差しでじっと俺の顔を覗いている。妻の右目周りに見憶えのないパンダ痣がある。まさか、俺が……。
    「覚えてないのね」
    妻はそっと溜息を吐き、俺から目をそらす。
    「いいわよ、おあいこだもの」
    妻の視線を追う。俺の腹から見慣れた包丁がはえていた。

  178. 夢を見る。溺れ死にかけた私を浜まで運んでくれた人魚は、見覚えのある顔をしていた。夢の中で人魚は、血に塗れながら微笑む。鳩尾から左の乳房にかけ、深々と肉が抉れていた。
    思い出す。きょうだいが、いた筈だった事。
    私は産まれる前、人魚の肉を食べ、生き存えたのだ。

    #呟怖

  179. 獏は夢を食べ人を知る。悪夢を食べ畏れを知れば、歓びも凡そ見当が付く。一匹の獏は眠れる若い娘に恋をした。娘の悪夢は人への恐怖だった。言葉に尽くせぬ仕打ちを受け続ける夢。それを食べ尽くした獏は、娘をもっと知ろうと良い夢まで摘んで食べ、そして知った。自身も娘の夢の一部である事を。#呟怖

  180. 残業で深夜に帰宅。エレベーターの十階を押す。いつも一人だが、今日は知らない男がドアに体をねじ込み入ってきた。階を尋ねると一緒ですと答える。住人らしいが見た事は無い。男は言う。「物騒ですね最近。挨拶が無かったという理由で刺された人がいたそうですよ…」

    男の手元で何かが光った。#呟怖

  181. 旅の土産は嵩張らないのが良いと、干支の入った覗き瓢箪をひとつ買うことにした。中には”午”がいる筈だったが、そこに見えたのは着物姿の少年で、こちらを見つめ子供らしからぬ嫌らしい目つきでニタリと笑っている。驚き瓢箪を投げ捨てると、それを拾った少年が閉じ込められた私を覗き見ていた。#呟怖

  182. #呟怖
    中学生のSくんはUFOと交信するために友達と山に登った。山頂で手をかざしベントラベントラと唱えるもUFOは一向に現れない。業を煮やした友達がベントラーと大声で叫ぶ。山彦が響いた。負けじとSくんも叫んでみた。すると山彦がいつまでも鳴り止まなくなった。二人は慌てて山を駆け下りたそうだ。

  183. #呟怖
    父が国勢調査の手伝いをした時の話。男性が一人で入居しているはずの文化住宅を訪ねたが、部屋の奥で複数人息を潜める気配があった。不法就労者だろうと父は言う。その後、文化住宅が全焼した。噂によると入居者よりも見つかった遺体の数の方が多く、数人は火災よりも前に亡くなっていたらしい。

  184. #呟怖
    学童疎開を描いた映画のロケ地にT県の廃校舎が選ばれた。優秀な子役たちが集められたおかげで、撮影は順調に進んだ。七日目までは。その日を境に子役たちが本名とも役名とも異なる名前でお互いを呼びあうようになった。十三日目。脚本にない戦中の記憶を克明に語り出すに至り撮影は中断された。

  185. #呟怖
    掻き毟れば掻き毟るほど、傷口から胞子が溢れ出てくる。むしろ掻き毟るから傷が広がるのだ。そも身体から胞子など出るはずがない。俺だけに見える白昼の幻だろう。だが、俺は道端で我が身を掻き毟り続けるしかなく、通行人が幻でも見るかのように通り過ぎていくのを、ただ見ているしかないのだ。

  186. #呟怖
    満員電車の中、目の前に座る女性を見降ろしていた
    なかなか美人のようだ
    そう思っていると、顔を上げた女性と目が合ってしまった
    彼女は私を見ると表情を硬くし、プイッと視線を逸らす
    そんな嫌わなくても…
    すると携帯を取り出し物凄い速さでメールを打ち始めた

    うしろ
    おとこ
    はもの

    にげて

  187. #呟怖
    ある日、彼女に首筋の痣を指摘され大ゲンカになった
    身に覚えがないが信じてもらえず
    険悪な雰囲気のまま帰宅
    イライラして寝付けなかったが、電気を消して目を瞑っていた
    深夜、ガタン。という音がする
    今のは…クローゼットの開く音だろうか
    薄眼を開けると、知らない女の顔が目の前にあった

  188. #呟怖
    祖父は言う
    「庭の納屋には入るなよ」と
    冒険心をくすぐる言葉だった
    夜な夜な、鍵を盗み納屋の扉を開く
    縛られた女性がいた
    ウネウネと動き
    嗄れた声で笑い続けている
    「見ちまったか」
    背後から祖父の声がする
    ねぇ、この人は誰?
    「おめぇの母さんだ」
    じゃあ、僕を育ててくれたあの人は誰?

  189. #呟怖
    彼女を殺してしまった
    全て夢ならよかったのに

    そう思った時、意識が吸い込まれ布団の中で目覚めた

    よかった
    全部夢だったんだ

    さぁ1日を始めよう
    あんな想いはもう二度と御免だ

    合鍵で彼女の家に入る
    知らない男と彼女が裸で眠っていた

    彼女を殺してしまった
    全て夢ならよかったのに

  190. #呟怖
    影が喰われる病をご存知だろうか?
    病原体は影から影に感染し、少しずつ捕食する。
    影の主に痛みはないが、喰われた部位は二度と動かない。
    治療は不可能。だが大きな影の中に隠れることで進行は遅くなる。
    この街の地下には沢山の人々が眠っているそうだ。より大きな影に救いを求めたのだろう。

  191. #呟怖
    幼い頃の私はよく悪夢を見ていた
    悪霊が笑みを浮かべ私を手招きする夢

    「お祖父ちゃんは寂しがり屋だけど優しい人だった。貴方をきっと見守ってくれてるわ。」

    泣きついた私に、母はそう言ってアルバムを見せてくれた
    写真の中で母を抱き、亡き祖父は笑っていた
    夢の中で見た時と同じ笑顔で

  192. #呟怖
    ホームに響くアナウンスを背に
    黄色い線を越え
    そして白線を越えた
    あと一歩で
    彼女のいない苦しみから解放されるはずだった
    不意に背後から抱き締められ
    思わず歩みを止める
    目前を通過する電車
    涙を流し、立っていられなくなった僕は
    少しずつ冷めていく腕の温もりをいつまでも探し続けていた

  193. #呟怖
    祖父はお茶が好きだった
    仏壇に茶を供えると
    誰も触れていないのに茶碗がひっくり返っていた
    「お祖父さん、熱いお茶が好きだったからねぇ。」
    そう言って祖母が淹れ直すと
    次見た時には茶が減っていた
    祖母はそれを見て
    「世話がかかるねぇ。」
    と嬉しそうに微笑みながら、今度は茶菓子を供えた

  194. #呟怖
    妻は人のいい女だった
    浮気しても金を使い込んでも文句一つ言わない
    最後は道路に飛び出た子供を庇い
    車に轢かれて死んだ
    その後、毎晩枕元に立ち謝り続けている
    ごめんなさい。ごめんなさい。
    煩わしくなり
    もういいよ。と言った
    妻は笑みを浮かべ俺の首にそっと触れる
    今度は貴方が謝る番よ。

  195. #呟怖
    結婚の挨拶に行ったら神主の義父に殴られた
    「憑き物を祓った。」とか言われたがマジで痛かった

    数年後、病に倒れた義父は
    最期に俺の顔を見ると泣き顔で一言
    「悪かったな…祓ったってのは嘘だ。」

    その言葉に皆が泣いた

    俺だけは義父の言葉の意味に気付いていた
    この身体は今も蝕まれている

  196. 口論の末、彼女を殺した。
    翌朝、遺体を詰めた袋をゴミ置場に置いて帰ろうとした時、どこからか颯爽と現れたゴミ出しにうるさそうな近所のババアに中を覗かれた。
    (やばい!)
    ババアは凄い顔で俺を睨むと叫んだ。
    「今日は燃えないゴミの日ッ‼︎‼‼︎ 燃えるゴミは明日ッ‼︎‼‼︎︎」#実話 #呟怖

  197. 駅の事務をしている夏子さんはある日、奇妙な電話をとった。
    『今からお宅で自殺します』
    男の声。電話は切れた。
    万一に備えてホームの監視を厚くした。しかし異常はなく、イタズラだったのだと職員一同安堵して終業した。
    帰路に着く。部屋の鍵が開いている。中で知らない男が首を吊っていた。#呟怖

  198. #呟怖
    地方支社に飛ばされて8年目の頃。

    夜勤中に、何かを取りだそうと抽斗に手をかけたが、違和感を覚え、顔を近づけた。

    中からは、断末魔、命乞い、罵詈雑言が微かに漏れてきた。

    「この声!?」

    抽斗を開くと、いつもの中身だった。
    私はホッとした。

    「社長、やっと地獄に堕ちたんですね。」

  199. #呟怖
    「去年、新しい左目を移植されてからか。
    盲点の辺りから、奴らに狙われている気がする。
    1度気になると、もう何も手につかねぇ。
    眠れない。
    気が狂いそうだ。
    ええい、ままよ。」

    被験者が自らの左目を潰した瞬間、中から奴らが溢れ、頭部を喰い尽した。
    血潮も絶叫も、全て飲み込まれ…。

  200. #呟怖
    「3棟の坂田さんの奥さん、自殺したんだって」

    「あらら、この前1棟の三浦の奥さん、自殺したばかりなのにね」

    ママさん連中の井戸端会議だ

    よくもまあ、朝から人の生き死にで、ああも盛り上がれるものだ

    うんざりしながら、俺はママさん連中の横を通り過ぎた、その時

    「次、誰にする?」

  201. #呟怖
    「何これ?」

    蔵を掃除してたら一足の大きな下駄が出てきた

    「これは天狗様のじゃ、こんな所にあったか」

    と祖父さんは言った

    翌日、俺は興味本位で下駄を持ち出した

    すると突然、目の前で強い風が吹いた

    「こんな所にあったか」

    どこからともなく声がし目を開けると、下駄が消えていた

  202. #呟怖
    「儂の御先祖様は花咲爺さんだったんじゃよ」

    祖父の世迷言だ

    そんな祖父が朝、眠るように息を引き取っていた

    警察だ救急車だと皆で慌てていると、ふと、祖父の部屋に違和感を感じた

    違和感の正体は直ぐに分かった……

    昨夜まで襖に描かれていた冬の枯れ木絵が、満開の桜を咲かせていたのだ

  203. #呟怖
    朝はやはり目玉焼きに限る。

    「ん?」

    パンがない。

    「あ、耳ならあるな」

    砂糖をまぶしてこんがり焼くとなかなかいける。

    「さてと、いただきますか」

    牛乳をコップに並々と注ぎながら、床に転がった材料に目をやる。

    「明日分はあるな」

    安堵し朝食を口に運んだ。

  204. #呟怖
    深夜、同居人と酒を呑んでいると、外から声が聴こえた

    窓を開けると、家の前を花魁のような集団が闊歩していた

    「七つ八代の尾を添えて、九つ大間の尾咲花。さあさ酒よとつまぶれば」

    美しい鈴の音のような声

    「よく見ろ」

    同居人に言われ花魁を見ると、何故か尻に、狐の様な尾が生えていた

  205. #呟怖
    深夜の喫茶店で、客の老夫婦の接客をしていた時だった

    「随分楽しそうですね」

    常連客の女の子が言った

    「この店の創業時から来てたらしくて」

    そう言うと

    「この店、大正時代創業ですよ?」

    言われて振り返ると、そこに老夫婦の姿は無く、二杯の珈琲カップが、寄り添うように並んでいた

  206. 僕が赤だと思ったものを彼女は黒だと言った

    私が愛だと思ったものを彼は苦痛だと言った

    僕が人間だと思ったものを彼女はバケモノだと言った
    僕が救済と呼ぶ行為を彼女は殺戮と言った

    僕が僕だと思ったものは悪魔だった

    僕が彼女だと思っていたものは骸だった

    #呟怖

  207. #呟怖
    まず、アクアリウムを用意します
    魚はいりません

    寝る前にアクアリウムを眺めながら眠りにつくと、夢の中にアクアリウムが出てきます
    水槽の中には、知らない魚が優雅に泳いでいます
    その魚、貴方の悪夢を食べてくれるんです

    ただこの魚、食欲旺盛なので、食べさせ過ぎると……一度お試しあれ

  208. あれから右肩が重い
    仕事終わりに公園で一服している時だった
    ブランコの前で女の子が泣いていた
    「どうした?一緒に帰ってあげようか?」
    女の子は嬉しそうに顔を上げ俺の右手を握って消えた
    それ以来、右手が空いている時は握られている感触がする。
    帰り道よく公園に引っ張られる
    #呟怖

  209. #呟怖
    買って使い忘れていたリップが、いつの間にかすり減っていた。

    一人暮らしだし、勝手に減るなんて有り得ない。

    思わず辺りを見渡す。

    ふと部屋の一角に、嫌な違和感を感じた。

    数体のフランス人形が飾ってあるのだが、その人形達の唇が、何故か妙に赤かったのだ。

  210. ピンポーン
    「はい」
    ふーふー、ずるっずる
    「どなたですか?」
    ずるっずるっ、ひゅーひゅー
    「イタズラかよ、一応見に行くか」
    玄関を開けると、それは猛スピードで足から頭まで登り、男の口に右腕をねじ込んだ。
    上半身だけのそれは息が止まったのを確認すると嬉しそうに隣の家へ向かった
    #呟怖

  211. 友達とはぐれた
    廃墟に来てはぐれるって怖い。取り敢えず外に出て、後ろを見ると2階の部屋の電気がチカチカしていた。
    なんだあいつ脅かそうとしやがって
    2階にあがり部屋を見た。
    そこには髪の長い女がニタニタしながら電気のスイッチをカチカチしていた。
    「おーい」
    下から友達の呼ぶ声がした
    #呟怖

  212. #呟怖
    駅員A「凄かったですよ、いきなり若い女の子が飛び込んでね」

    駅員B「凄い音がしたよ、絶対助からないってあんなの」

    駅員C「飛び込み自殺何て初めて見ました、もうそこら中悲鳴だらけ」

    駅員D「ええ私が通報しました、確かに見たんですけど、おかしいなあ、被害者が消えちゃう何て、ねえ…」

  213. 配達を始めて1週間、いつも最後の1件の分がない。
    先輩とルートを確認してる時に聞かれた
    「この家配達してるのか?」
    道路沿いの一軒家だった。
    「はい集金も行きました」
    先輩に聞くと4年前に家族全員殺されたと聞かされた。
    じゃああの血塗れのお札はやっぱり…
    #呟怖

  214. #呟怖
    学校の帰り道、知らない男がずっとつけて来ていた

    何とか撒こうとしていると、突然無人の車が私を轢き殺そうとしてきた

    死に物狂いで逃げ母に電話で助けを求めた

    「あなたさっき電話してきた時、今日は泊まるって言ってたけど、どうするの?」

    私は母にそんな電話をした覚えはない

    実話です

  215. #呟怖 私は雨の日が怖い。雨音が邪魔で、近づく足音に気づけないから。“彼ら”はいつも唐突に現れ、駆けて来る。そして私が気を失うまで首を締めていく。その姿は定まっておらず、死者や化物、煙だった事もある。走る足音からは逃げなければならない。昔、軽い気持ちで人を呪った代償。雨の日が…怖い

  216. #呟怖 犬の散歩中、ビニール袋を覗き込む老女とすれ違った。嬉しそうに「孫は可愛い」と繰り返す。翌日、今度は酷い剣幕で「悪い子だ!」と怒鳴っており、袋の中身を取り出すと地面に投げつけた。黒い何か。ミチミチ踠く六本足。犬が吠えそれに噛み付くと、「よくも孫を!」と老女が発狂し向かって来た

  217. #呟怖 近所の某一家失踪以来、スマホに妙な留守電が。「僕はザザ…に」「私はザザ…に」「俺のザザ…ザザに」肝心な箇所でノイズが入る。だが声は日に日に鮮明に。「僕は川に」「私は庭に」「俺のササァ…ササァに」薄いノイズの中の言葉を聞き取る。「俺の頭はお前のバッグに」膨れたバッグに気づく

  218. #呟怖 えぇ信じ難い事に、この石には感情があります。このモニターをご覧下さい。人が触れると、主に『怒り』を示す数値が上昇します。では叩くと…このように『殺意』の数値が急激に上昇しました。これまで動機不明だった一連の撲殺事件、この石が関連する可能性も。ちょっとあなた、石を離しなさ…

  219. #呟怖 骨折した腕を机にぶつけた。ギプス有りでも痛い。街では人にぶつかり、更にバイクによる引ったくりに遭い腕を捻った。段々酷くなる痛み。帰りに車に撥ねられ転倒、後走車に腕を轢かれた。そこへ犬が噛みつく。飼い主はただ見ている。腕が噛みちぎられると子供達が群がり、楽しそうに持ち去った

  220. #呟怖 先月誕生した娘を連れ買物中、女性に声をかけられた。「可愛い。出産大変だったでしょ」確かに難産だったし娘を褒められ素直に嬉しかった。「私も凄く苦しかった。痛みが懐かしい。少しだけ入れさせて」彼女が上着を開くと、裂かれて臓物の垂れた腹が現れた。「ここに…」土色の手が娘に伸びる

  221. #呟怖 子供靴だけが歩いている。姿のない足取りは幼い。靴の上を通過した車に息を飲むが、変わらず歩いており安堵した。どこを目指しているのか。すると女が靴に駆け寄り蹴飛ばしていった。別れて転がる二つの靴。拾って揃えてやると、また歩き出した。遠くで睨んでいる女を睨み返し、靴を見送った。

  222. #呟怖 僕を忘れてしまった祖母が天井を見つめている。「アレは何」力なく指差す先には何もない。翌日「足…足」「体…体」と祖母が怯える。すると急に嬉しそうに「なんだ、◯◯だったのぉ」と天井を見たまま僕の名を口にした。僕はここだよ!呼びかけに祖母が反応する。「お前もあぁやって首を吊れ」

  223. #呟怖 取引先に行き気づいた。社屋と壁の狭い隙間に女がいる。何故こんな所に。綺麗な横顔だ。振り向いて欲しい。俺は毎日通い声をかけるが反応はない。手を伸ばせば届きそうだ。あと少し。片腕が邪魔だ。腹も、耳も頬も。折ったり削いだりし隙間に入ると、女はいなかった。痛ぇ。何故俺は…ここに…

  224. #呟怖 彼女の髪が風に柔らかくなびく度、彼女が髪を掻き上げる度、美しさに鼓動が跳ねる。けど僕がその髪に触れても喜びは得られない。「ちょっと、私の話聞いてる?」彼女の声に我に帰る。ゴメン、見惚れてた。バカと嬉しそうにむくれる彼女。お前に興味はない。髪の隙間に一瞬現れる女に会いたい。

  225. #呟怖
    あるゲーム会社が新作ホラーADVで、実在する洋館を忠実再現したところ、テストプレイで壁抜けバグが多発。修正を繰り返したが直らず、洋館自体を作り変えた。
    ところで米国の廃洋館では数ヶ月に渡り霊の目撃報告が相次いだらしい。アジア系の男女が数人、スーッと現れては壁に消えるのだという。

  226. #呟怖
    『ケガレ』
    曰く付きの品々や幽霊画等の俗に言う『穢れ』(ケガレ)と呼ばれる品々を蒐集して居りますと稀に不思議な事が起こります…
    人形達が夜中に笑う事などは私にとっては大して不思議でもありませんが…たまに妻が私を起こしに来る事には肝を冷やします…数年前に殺めて埋めたはずなのに…

  227. #呟怖
    『素敵ですね』
    年を重ねて渋みが増したせいか街を一人で歩いていると『素敵ですね』と言われることが多くなった…
    ある晩一人で歩いているとまた『素敵ですね』と言われたので『私のどの辺が素敵ですか?』と質問すると『お隣にいらっしゃる女性と仲睦まじくなさっているところです』と答えた

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