出社すると、机に白い花が
飾られていた。
「おはよう!」
声を掛けても、誰もこちらを
見ない。
これは、昨日の旅行をパスした
仕返しか?
「知らんのか?
バスが崖から落ちて全員死亡だ。
君以外はな。」
隣の課長に肩を叩かれた途端、
皆の姿がすうっと消えた。
]]>「早く治療薬が出来るといいね」
「治ったら、一緒に行きたい所が
あるの」
主人を失った集中治療室では、
深夜に、そんな囁き合いが聞こえる
という。
]]>台風一過、我々のマンションの朝は
ベランダの飛来物撤去から始まる。
コンビニのレジ袋、軍手の片方、
枯葉の山、そして、おびただしい
数のカラスの羽…
珍しく、隣の老人がベランダで焼肉を
始めた。
]]>ソフト会社勤務の妹が急死した。
寿退社を目前に無理をし過ぎたらしい。
夢枕に立った妹の依頼通り、
婚約者に彼女のノートPCを送った。
間もなく彼からメールが届いた。
「素晴らしいチャットボットをありがとう。
まるで彼女と話しているようです。」
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