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青山藍明 さんが投稿「† 呟怖王 2020 †」にコメントしました。 3年 6か月前
なんで笑っているの、ずるい。なんでチヤホヤされているの、ずるい。なんで有名になっているの、ずるい。テレビを見ながら母がぶつぶつ、譫言みたいに繰り返す。その度に飯から蛆がわき、惣菜から饐えたにおいが漂う。それらを貪り食う母の姿が嫌で、外に出た。見上げた月は綺麗だった。 #呟怖
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青山藍明 さんが投稿「† 呟怖王 2020 †」にコメントしました。 3年 6か月前
金木犀が咲いているよ、いいにおいねえ。まだ赤ん坊の孫娘が、はっきりとした口調で言うとベビーカーから抜け出して、スタスタ歩いて行ってしまった。気付いたら病院にいて、息子の嫁が泣いている。息子は私を責めている。あれからもはや十五年、孫娘は相変わらず、行方知れずになったまま。 #呟怖
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青山藍明 さんが投稿「† 呟怖王 2020 †」にコメントしました。 3年 6か月前
名声を得て、人気を博するほど、ある女優は「虚無が自分を狙っている」と怯え、闇を恐れているそうだ。あいつはいじめっこで、散々ひどいことしてきたからねえ、と闇に潜む死神が嗤う。黒い法衣の裾を掴むは、かつて女が追い詰め、命を奪った少女であった。もうじき、もうじき。少女が謳う。 #呟怖
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青山藍明 さんが投稿「† 呟怖王 2020 †」にコメントしました。 3年 6か月前
ああ寒い、坊やちょっと頼まれてくれないかい。あそこの薬屋で、カイロを買ってきて欲しいのさ。なあに、お金もお駄賃もちゃんとあるんだよ。なに?カイロを握っても、いくら貼っても無駄だって?骨しかない身じゃ、金の無駄だということかい。ああそうか。これは一本取られたねえ。 #呟怖
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青山藍明 さんが投稿「† 呟怖王 2020 †」にコメントしました。 3年 6か月前
狐の童が赤茄子片手に、ひょいと山へ逃げうせる。ひねものじゃ、食わせてやろうと爺さまがニヤリと歯の無い口で嗤うてゐた。なにか考えがあるようだが、自分には計り知れない。翌朝、畑の赤茄子が全て枯れていた。傍らには、狐の骸がひとつ、ふたつ。
#呟怖 -
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