㊙️猫獄山発ネオ都市伝説『サカサカ』まとめ

これは虚無さんよりいただいた怪談を元に、新しい都市伝説を猫獄山から作り上げようという企画です。


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絵:オカルト探偵八八


『サカサカ』

作:虚無

 田舎に帰省していた時の事です。深夜にタバコが切れてしまったので、ヘビースモーカーの私は少し遠いが、コンビニに行くことにした。稲作を行なっている実家から、コンビに行くには薄暗い田んぼの付近を通らないといけない、しかも雨もかなり降っている。私は、薄暗い田んぼの付近をぬかるみをさけながら傘をさし歩いていると、後ろから『サカサカサカ…サカサカサカ』とまるでレインコートが擦れるような音と『バシャッ!バシャバシャバシャ』と勢いよく水溜まりを蹴りながら何かが近づいてきた。私は恐る恐る振り向くと、何のことはなく、透明のレインコートを着た、髪の長い女性が急いで走って来るのが見えた。おおかた私と同じコンビニに行くのに、暗い道を駆け抜けようとしているのだなと思ったが、女がちかづくにつれ【違和感】を覚えた…
『そういえばあの女の足、やけに細くて短く無いか?』違和感の正体にに気づいた頃に、女は私の真後ろでピタッと歩みを止め、『ネエ、ミテ、ヒトニミエル…ツナゲタノ……ツナゲタノ…ミテ、ミテ、ミテ、ミテ、ミテ』と壊れたテープレコーダーのように私の耳元で繰り返した…
 私は恐ろしくなり、全速力で逃げ出したが、後ろに女はピッタリとついてサカサカサカ音を立てて走ってくるその間ずっと『ミテ、ミテ、ミテ、ミテ…』と連呼しながら…私はぬかるみにハマり、転倒しその女の姿を正面から見て驚愕した。女は足の位置に手が付いており、手の位置には足が、そして顔かと思った部分は後頭部…私は思わずこう叫んだ『お…お前全部逆さまじゃねーかよ!バ、化け物!』すると女の首は180度回転し私を見つめたかとおもうと、自分の頭を両腕の位置にある足で挟み、引きちぎり、足の位置にある手の間にグリグリとねじ込んで、逆立ちした状態で、こう行った『ヒトニ…ミエル…ミテミテミテ…』私は、ヤケクソになり『雨の日に逆立ちして、ちぎった首ねじ込む化け物が人に見えるわけ無いだろう!』と言うと、女は足を地につけて、四つん這いの姿勢になり『モウ…イイ……オマエのカラダをヨコセッ!』と野太い声で叫ぶと、四つん這いのまま、また追いかけてきた、私はまた全速力で走り逃げると、女は首の位置を変えたせいか、ぬかるみで転倒し田んぼに転落した、その隙に実家に逃げ帰った……翌日祖母にその話しをすると、ただ一言だけ『今日はお彼岸のいりだからね…』と呟き、顔色が真っ青になり、その事については一切語ろうとはしなかった…


都市伝説『サカサカ』についての考察 1

作・朗読:暁暗

小学生の間でまことしやかに囁かれる都市伝説がある。
それは「サカサカ」と呼ばれる存在だ。
私が取材をした数人の小学生の話をまとめると、
「雨の降る夕方」に「水辺」に現れる。
「ミテ、ミテ」と呟きながらやってくるのだが、その姿があまりにも異様である。
「両手足が逆」についており、「頭部は両足の間」にあり「前後反対」。
その両手足は「関節とは関係ない箇所で折れ曲がり」グニグニと動いている。
という特徴があげられた。
なぜ「サカサカ」と呼ぶのかといえば、「逆さまだから」という意見と「動く時に『サカサカ』とビニールがこすれるような音がするから」という意見があった。
これと遭遇すると、手足を持っていかれると噂されている。
ただ、出会った時に声を出さずにやり過ごすと、うまく逃げ切る事ができるそうだ。
相手の頭が前後逆のため、こちらに気づくのに時間がかかるからだと言われる。
もしも声を出して気付かれてしまった場合、相手が「自分はヒトに見えるか?」との問いを肯定してやればいい。
そうすれば「サカサカ」は満足し、答えた人物の顔を「足」でひと撫でして消えてくれるらしい。
だがこの問いを否定すると、自分の手足を奪われるという。
また「サカサカ」に遭遇した際には、逃げ出してはいけない。
こちらが逃げると「サカサカ」は四つん這いになって追いかけてくるようだ。
直立姿勢の時は手足が逆のために、追いかけられてもさほどスピードは出ないそうだが、四つん這いになった「サカサカ」は驚異的な速さで距離をつめてくるという。
そして捕まってしまうと、やはり手足を奪われるのだ。
話を聞いた別の小学生は「捕まると水の中に引きずり込まれる」「水の中で手足を引きちぎられる」とも言っていた。
もともとは農村部で派生した「カカシ」にまつわる怪異譚のようなものかもしれないが、田畑の減少とともに都心部へ移動してきたものか。
その際のルートとして「水」というキーワードが欠かせなかったのかもしれない。
農耕に必要不可欠な「水」「水路」を伝って、人口の密集する場所へ噂が流れてきたものか。
私は小学生から話を聞き終わって、「サカサカ」について想像を巡らせてみた。
なるほど、そんなモノに追いかけられたら生きた心地がしないだろう。
人間は見慣れたものが正しい位置についていないというだけで、感覚的に嫌悪を抱くという。
それだけ「ニンゲン」としての形から外れていれば、思い浮かべるだけで不快感を覚える。
これに遭遇しても逃げずに対峙し、相手の問いかけを肯定し、顔を撫でられるのに耐えなくてはいけない。
どんな罰ゲームだ。
私も長年、色々な都市伝説を聞いてきたが、この「サカサカ」はまだまだ発展途上のような気がする。
これからどのような変貌を遂げていくのか、非常に興味がある。
引き続き、聞き取り取材を進めていきたい。
しかし、先程から雨の音に混じって聞こえるビニール袋をこすり合わせるような音は何だ?
だんだん近くなってきているような気がするのだが……。


オカルト探偵への調査依頼と『サカサカの祠』

情報提供:一ノ瀬彩


『サカサカ』についての考察 2

作・朗読:暁暗

ネットで「サカサカ」について調べていると、「サカサカの祠」なる写真を発見した。
早速撮影者にコンタクトを取ってみると、詳しい話を知っているという人物を紹介してもらえた。
その町の博物館で学芸員をしており、自身も郷土史を調べているという人物だ。
私はすぐに連絡し、後日話を伺えることとなった。

約束の日は近づく台風の影響で酷い雨だった。
あいにく博物館は休館日だったが、近くの喫茶店で話を聞かせてもらう。
その方のお祖母様が住んでいた地方の村に、「サカサカ」にまつわる伝承が残っていたそうだ。
その地ではお盆を迎える準備をする際、木の枝や藁などを使って「人形」を作って用意する。
お盆の期間中、その「人形」に先祖の霊を依らせ祭壇で祀るのだ。
そして盆明けには村の鎮守である水神の祠に出向き、此岸の穢れを浄化し、先祖の霊を無事に彼岸へ送り届けてもらうために祈願する。
先祖の霊を抜き取った「人形」は村の境にある川に流すそうなのだが、その時に良くないモノが入り込んだりしないように、「人形」の形をバラバラにするのだそうだ。
つまり「手足の位置を逆に」して「両足の間に頭部」をつける。
そのような形にすることで「この人形にはもう依り憑くことは出来ない」と先祖霊に納得させ、「ヒトではない」と強調することで悪霊が入り込むことを防ぐのだという。
その後、「人形」だったモノは川に流される。
これは私が聞き取り調査をした「サカサカ」の原型と考えて間違いないだろう。
なぜ「サカサカ」の出現に「水」が関係しているのか、大きな謎が一つ解けた。
あの異様な姿形は「ヒトではない」事を強調するために必要なものであったと考える。
川に流された「人形」は長い年月をかけて「ニンゲン」になろうとしたのだろうか。
先祖霊を依らせるために「人形」の内部には霊的な「虚」がある。
そこに悪霊が入りこんだために動き出したのか。
それとも「ヒトではない」と強く認識することで逆説的に「ヒトになりたい」と願う何かが生まれたのか。
信仰が形骸化したために、浄化しきれなかった先祖霊が変化したものとも捉えられる。
いずれにしても「サカサカ」は自然発生的な都市伝説ではなく、根底に土着信仰の核があると考えたほうがいいだろう。
幸い、私の取材・調査を手伝ってもらえることになった。
これまでの資料をもとに、現地へ赴き引き続き調査を継続する。
それまでに天候が回復すれば良いのだが。
風向きに合わせ傘を傾けた私の視界の端を、黒い影が横切ったような気がするが……きっと私の見間違いであろう。


オカルト探偵八八氏による『サカサカ』調査

作:オカルト探偵八八


『サカサカ』の都市伝説化にむけて

考案:まー

ライター暁暗さんは、どういうわけかサカサカに狙われているようです。きっとそのうちサカサカに手足を奪われるかもしれません。日々近づいてくるサカサカの気配に怯え追い詰められ限界を迎えたライター暁暗さんはひとつの決意をします。
「くそっ、なんで私だけ・・・畜生!ただで殺されてやるものか!このGPSをやつに取り付けてその存在を世間に示してやる!」
ということで、サカサカアプリをつくったら面白そうだなと。システムで日本を時間とともに少しずつランダムに移動する位置情報を用意し、それをアプリから地図上に表示できます。日本地図をサカサカらしきマーカーが時間の経過とともに移動します。
実際はただの虚像ですが、自分の近くにマーカーを見つけた人はきっと怯えるか探しに出かけるでしょう。
『実体のある都市伝説』の誕生です。
その他サカサカアプリではサカサカの朗読など各種情報を視聴できます。


『サカサカ』の都市伝説化にむけて(メモ)

考案:まー

メモ:都市伝説化には伝染力が必要だと思ってきました。例えば自己責任的な方向で、サカサカの存在を知ってしまったら○日以内にあることをしなければならない、というようなやつ。サカサカに四肢を奪われることに由来して4人に対して何かを行わないと次の雨の日にサカサカが現れる的な・・・。ブラッシュアップしていく必要あり。

ついでに参考資料をはっつけ

いかにして『八尺様』は生まれたのか/Web怪談と現代のオカルト

トイレの花子さんはなぜ怖い? 怖い話を作る「公式」が存在した
https://www.excite.co.jp/News/bit/E1502871034341.html