十伍 月)))

  • 十伍 月))) さんが投稿「† 呟怖王 2020 †」にコメントしました。 3年 6か月前

    『この先止まれ』と書かれた真新しい張り紙が視界に入った。
    「この先は──」
    確か、朽ちた家が一軒あるのみだった。
    恐怖で胃が逆流するが、好奇心に負け歩みを進める。不意にゾワリと肌が粟立つ。

    ──この先、泊ま……れよ、絶対。

    と耳元で囁かれた。
    もう帰れない……と、僕は確信した。
    #呟怖

  • 十伍 月))) さんがプロフィール写真を変更しました 3年 6か月前

  • 十伍 月))) さんが投稿「† 呟怖王 2020 †」にコメントしました。 3年 6か月前

    人の顔が見えなくなった。他人の顔は、全て真っ白だ。
    夫は下品な大口、娘は不愉快な単眼に見える。私は、私は──狂って、無いわ。

    新しい紙袋を姉は喜んだ。
    病院のベッドの上、紙袋を被った姉は僕を夫と、片目のぬいぐるみを娘と呼ぶ。
    姉は生きる。二人の血で汚れた手をじっと見つめ乍ら。
    #呟怖

  • 十伍 月))) さんがプロフィール写真を変更しました 3年 6か月前

  • 十伍 月))) さんが投稿「† 呟怖王 2020 †」にコメントしました。 3年 6か月前

    憧れた女を閉じ込めた、凹でも凸でも無いレンズを持って、私は列車で旅をしている。
    女を通して景色を楽しんでいると、女は景色から花を一輪抜き取って、少し恥じらい乍ら、私に差し出してくれる。
    あゝ──、と私は感嘆の声を漏らす。そしていつも後悔するのだ。

    腕しか閉じ込めなかった事に。
    #呟怖

  • 十伍 月))) さんが投稿「† 呟怖王 2020 †」にコメントしました。 3年 6か月前

    ずるり……ずるり、女は這う。畳の目に爪を刺し、ずるり……ずるり。
    臓物を引きずり、しかし畳は赫く染まらぬ。
    藤紫の色をした単衣には、鬼火が纏わりつく。
    ずるり……ずるずるり。
    口内に蟲が、ヌメヌメとした蟲が、出て──、入る。
    女は這う。這う。這う……
    悪夢は醒めぬ。先は長いぞ。

    #呟怖

  • 十伍 月))) さんのプロフィールが更新されました。 3年 6か月前

  • 十伍 月))) さんがプロフィール写真を変更しました 3年 6か月前

  • まー@運営 さんと 十伍 月))) さんのプロフィール写真十伍 月))) さんが友達になりました 3年 6か月前

  • 十伍 月))) さんが投稿「† 呟怖王 2020 †」にコメントしました。 3年 6か月前

    #呟怖
    熱にうなされ朦朧と村を徘徊していると、廃屋の扉に真っ白な和紙が貼られているのを見つけた。
    早う行け──と、内面から声が聞こえる。僕は境目に舌を這わせ和紙を破り、中に滑り込む。女が居た。
    漂う腐肉の臭いが心を震わせた。
    女は僕を嘲笑い「早う逝け」と一言放つ。
    僕はやっと赦された。

  • 十伍 月))) は登録ユーザーになりました 3年 6か月前