• さんが投稿「† 呟怖王 2020 †」にコメントしました。 3年 6か月前

    #呟怖
    六角形の凧に似た鳥が現れた。瑞祥か、凶兆か。
    無人の帆船がお台場の岸に乗り上げた。動かない。しんとした腐臭がある。
    空から人の歯が降る。時々下顎全体の骨がぼとりと落ちてくる。
    人の脳に謎のプログラムが走り、言語の体系が書き換えられる。私が貴方と同義になり三人称が消えた。

  • さんが投稿「† 呟怖王 2020 †」にコメントしました。 3年 6か月前

    「あ、洋子じゃね?」一緒に歩いていた友人が、先を歩く女性に走り寄って声を掛けた。一言二言話しただけで逃げるように帰ってくる。「おい、人違いだったのかよ?」と笑うと真っ青な顔をして首を横に振った。
    「いや、洋子じゃなかったけど……。」
    ぽつりと呟いた。
    「人でもなかった……」
    #呟怖

  • さんが投稿「† 呟怖王 2020 †」にコメントしました。 3年 6か月前

    夕暮れの河原でキスをした時にはわたしの病気はひどくなっていて、膝から崩れそうになるのを背中に回した腕で支えてくれた。幸せすぎて死にたいと言うと頷いて 首を絞めてもくれたのに。
    迎えに来た水の中で私に抱かれて、あなたはなぜそんなにもがくの。いやよ。わたし、つらいじゃないの。
    #呟怖

  • さんが投稿「† 呟怖王 2020 †」にコメントしました。 3年 6か月前

    戦時中創立の最新鋭毒ガス工場。漏出事故で勤労動員の学生ら83名が全滅。再稼働直前、不発弾直撃で3名死亡。戦後化学工場に転用。従業員2名自殺。ヒ素流出、下流の住民6名死亡。食品会社に売却、有毒物質混入で死者29名。銃器密造工場に。抗争で4名死亡。閉鎖後、胆試の若者7名が行方不明に。#呟怖

  • さんが投稿「† 呟怖王 2020 †」にコメントしました。 3年 6か月前

    海辺の廃村の木造家屋が密集する舗装のない路地は五月の青空を左右の軒に遮らせ頑なに薄暗い潮の臭う不機嫌な沈黙を潜り抜けたところにようやく視界を開き海に向かう野へ出ますが菫の花の揺れるままに小高く登りつめる丘が実は人柱の塚で今は薫風の向うから海光を受けてただただ眩しい叢の中。
    #呟怖

  • は登録ユーザーになりました 3年 6か月前