右左上左右右

  • 右左上左右右 さんが投稿「† 呟怖王 2020 †」にコメントしました。 3年 6か月前

    #呟怖

    海の底に 雪が降る
    陽光 届かぬ 闇の中
    青く光る 烏賊が舞う
    淡く光るは 提灯鮟鱇
    点滅点滅 繰返し
    上へ下への 海月達
    底に転がる されこうべ
    私の頭だった物
    この美しい世界なら
    綺麗な貝に なれそうね
    振り積もる雪に 埋もれ逝く
    私の頭蓋骨 だった物
    私の愚かな されこうべ

  • 右左上左右右 さんが投稿「† 呟怖王 2020 †」にコメントしました。 3年 6か月前

    #呟怖

    右肩から腕が痛いので接骨院に行き、湿布と痛み止を処方された。

    帰宅して母に湿布をお願いすると、「ちょっと!!」と変な声を上げる。

    「あんた! いつの間にこんなの入れたの!?」

    「何が?」

    「蝶よ!」

    肩を叩く母の手からひらりと紫の蝶が飛び立った。

    痛みも、ひらりと消えた。

  • 右左上左右右 さんが投稿「† 呟怖王 2020 †」にコメントしました。 3年 6か月前

    #死臨終殺眠終亡生目尽息心臓脈血天使死神天国地獄あれこれそれ明日君あなた僕俺私白黒赤笑う泣く怒るを使わないで死を表現する
    #呟怖

    骨壺に入らず砕いた大腿骨

    線香の匂いの喪服に身を包み

    袈裟の背中を眺めつつ

    青空に吸い込まれていく煙

    蝉の羽音が止んだなら

    ころり転がる庭の隅

  • 右左上左右右 さんが投稿「† 呟怖王 2020 †」にコメントしました。 3年 6か月前

    #呟怖

    南の方の親戚の家のある島に行くと、あまり見た事の無い大きな花が沢山咲いていた。

    従兄が「あれは甘い。あれは苦い」と味を教えてくれるが、花を味を楽しむ物と認識した事の無い自分には違和感しかない。

    「あれは?」

    「あれはダメ。神様の花」

    首を横に振る。

    「神様になっちまう」

  • 右左上左右右 さんが投稿「† 呟怖王 2020 †」にコメントしました。 3年 6か月前

    #呟怖

    初めて買って貰ったペットはハムスター。

    一週間しか生きてなかった。

    お墓を作って埋めた。

    可愛がっていた近所の猫が死んでいた。

    ハムスターのお墓に入れてあげた。

    半年後ウサギを買って貰った。

    ウサギは1ヶ月で冷たくなった。

    ハムスターのお墓に入れた。

    今日、弟が産まれる。

  • 右左上左右右 さんが投稿「☾ 呟怖王 2019 SUMMER-AUTUMN ☾」にコメントしました。 4年 6か月前

    #呟怖

    友人は異常な帽子好きだ。

    自分で帽子を作り、
    他人にも帽子を強要する。

    なので、私は必ず自分で作った帽子を被る。

    でないと、友人の作る帽子に体を乗っ取られ、友人の様になってしまう。

    もう、何人もの友人が『いかれ帽子屋』になってしまった。

    彼らの帽子の下を、私は知らない。

  • 右左上左右右 さんが投稿「☾ 呟怖王 2019 SUMMER-AUTUMN ☾」にコメントしました。 4年 6か月前

    #天狐の日
    #呟怖

    –オゥ!

    彼女が声を上げる

    –それデハ、TEN子とはtenのtailのFOXなのデスネ!

    待って。違う。いや違わないけど違う。

    十の尾を揺らし眺める天狐様の前で、僕は金髪碧眼の少女に懇願するように首を振る。

    合祀される夷神が外人だと神使の僕が苦労する。

    天狐様は楽しげだ。

  • 右左上左右右 さんが投稿「☾ 呟怖王 2019 SUMMER-AUTUMN ☾」にコメントしました。 4年 6か月前

    #夜という文字を使わずに夜が来たを文学的に表現してみろ
    #呟怖

    鴉が声を掛けてくる。
    「帰る時間だよ」

    薄暗がりから誰かが声を掛けてくる。
    「まだ遊べるよ」

    鴉が山へ帰って行く。
    「僕らは鳥目だから」

    暗がりから誰かが手を伸ばす。
    「僕らは良く見えるから」

    闇の手が僕の手首を掴んだ。

  • 右左上左右右 さんが投稿「☾ 呟怖王 2019 SUMMER-AUTUMN ☾」にコメントしました。 4年 6か月前

    #呟怖

    最上階の角部屋に引っ越した。

    夜になると屋根から聞こえる足音が気になった。その内、天井裏へ足音が降り、物置にしてる部屋の押入から降りてきた様な音がする。
    「ギャッ」
    踏まれた猫の様な声を上げて天井を駆け戻る音がした。

    翌日、物置部屋の人体模型が何か動物の毛を握りしめていた。

  • 右左上左右右 さんが投稿「☾ 呟怖王 2019 SUMMER-AUTUMN ☾」にコメントしました。 4年 6か月前

    #呟怖

    「なんでこんなことしたの?」
    母親が頭をもがれた人形を手に子供を叱る。
    「お父さんが」
    泣きながら子供が続ける。
    「首を切るって」
    「それは……」
    会社の話だろう。

    「だから、この子をお母さんの身代わりにしたの。お父さん、お母さんをこの子だと思い込んでる。今の内に逃げよう」

  • 右左上左右右 さんが投稿「☾ 呟怖王 2019 SUMMER-AUTUMN ☾」にコメントしました。 4年 6か月前

    #呟怖

    「お薬出しておきますね」
    そう言われて渡された薬瓶は錠剤が入っていて市販薬かと目を上げると、木造の年期の入った薄暗い待合室が目に入る。
    そもそも何でここに来たんだっけ?
    診察したっけ?
    病院、だよな。
    瓶には無地のラベル。
    「1日1錠、アタリつき」
    看護婦が言う。
    「おだいじに」

  • 右左上左右右 さんが投稿「☾ 呟怖王 2019 SUMMER-AUTUMN ☾」にコメントしました。 4年 6か月前

    #呟怖

    森に入るのは久しぶり。はしゃぐ娘
    「ワレワレハウチュウジンダ」
    どこで拾ったのか、牛の頭蓋骨をかぶる娘。
    「ふざけないで、捨てなさい」
    牛の頭蓋骨を強引に引き剥がして捨てると、そこには頭のない娘の身体。
    「ワレワレハウチュウジンダ」
    牛の頭がしゃべる。
    「ワレワレハ…」

  • 右左上左右右 さんが投稿「☾ 呟怖王 2019 SUMMER-AUTUMN ☾」にコメントしました。 4年 6か月前

    #呟怖

    「半分こね」
    「半分こよ」
    「上と下どっちにする?」
    「右と左どっちにする?」
    「どっちが旨いのかな?」
    「どっちが甘いのかな?」
    「じゃんけんだね」
    「じゃんけんだね」
    「ねえ」「ほら」

    「「あなたたち、じゃんけんして」」

    「「勝った方から、 半 分 こ す る か ら 」」

  • 右左上左右右 さんが投稿「☾ 呟怖王 2019 SUMMER-AUTUMN ☾」にコメントしました。 4年 6か月前

    #呟怖

    なつやすみはりょこうにいこうとおかあさんがいった。
    ぼくはうれしくてがんばっていいこにしてきたんだ。
    しゅくだいもやった。
    おてつだいもした。
    ねぇ、おかあさん。
    なんでせんろあるくの?
    ねぇ、おかあさん。
    きりがでてるよ?
    ねぇ、おかあさん。
    いくのやめたくなっちゃったな
    ねぇ…

  • 右左上左右右 さんが投稿「☾ 呟怖王 2019 SUMMER-AUTUMN ☾」にコメントしました。 4年 6か月前

    #呟怖

    私の愛する鬼を ヒトは殺した
    私の愛する鬼を恐れた ヒトが殺した

    私の愛する鬼は 臆病で 優しくて    
    どうしようもなくお人好しで

    私の愛する鬼は もう戻って来ない

    私は 私の愛する鬼を食べて

    ヒトを喰らう 鬼になろう

    鬼もヒトも 喰らって

    私の愛した鬼を 忘れよう

  • 右左上左右右 は登録ユーザーになりました 4年 6か月前