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小泉毬藻 さんが投稿「† 呟怖王 2020 †」にコメントしました。 4年 2か月前
#呟怖
穴あけパンチで空けた穴から、鬨の声が聞こえて思わず覗いた。穴の向こうでは、満月と満開の桜の元で、武者達が激しく戦っていた。
1人が不意とこちらを見上げた。
血染めの顔に見開かれた目が、狂気と月光を宿してあやしく光る。
瞬間、矢が放たれ、それきり片目は見えなくなった。 -
小泉毬藻 さんが投稿「† 呟怖王 2020 †」にコメントしました。 4年 2か月前
#呟怖
破壊したカンバスから手が伸びているのは今日が初めてではない。
酷評された夜、人に裏切られた朝、己の醜態に絶望した夕暮、その時々、手は現れた。
―もう描くのは終わりにしたいんだ。苦しい
願えども手は在り続ける。さぁその手を延べよと言わんばかりに。
明日の朝にはまた触れてしまう -
小泉毬藻 さんが投稿「† 呟怖王 2020 †」にコメントしました。 4年 2か月前
#呟怖
自殺の方法を考える度、家の中に自分の死体が発露する。
日に日にそれは増え続け、いつの間にか家中死体だらけになった。
そして、ある日ついに、玄関のドアが首吊り死体で埋もれた。
もう出られない。死体達が呟く。
己が望みのままに、と。 -
小泉毬藻 さんが投稿「† 呟怖王 2020 †」にコメントしました。 4年 2か月前
#呟怖
雑踏を歩いている。
人影の先に点滅する信号と赤い太陽が見える。太陽は昇ろうとしているのか、沈みつつあるのか分からない。
「おかえり」
耳元で言葉が聞こえ振り返ると、雑然とした部屋に横たわる自分が、腐っていくのが見えた。ーそうか。私は死んだのか。
人々の声が響く。
「おかえり」 -
小泉毬藻 さんが投稿「† 呟怖王 2020 †」にコメントしました。 4年 2か月前
#呟怖
「もっと上手く立ち回れていたら、と思います。僕はだめでした」
と書き置きし、歩道橋から彼は飛んだ。それから、透き通った大きなトンボが歩道橋の上を旋回しているのを時々見かける。
よく見ると彼の顔をしている。 -
小泉毬藻 さんが投稿「☾ 呟怖王 2019 SUMMER-AUTUMN ☾」にコメントしました。 5年 1か月前
#呟怖
臥せる奥様の傍ら、私は筆に血を含ませ紙へ刷いた。絵具と違う重さで色が広がる。
画板の端には、かつての奥様の写真があり…それを写すように、彼女の血を吸った筆を走らせる。
奥様は日毎に青ざめ、満足気に見ている。
いづれこの密かな行為で私達は命を無くすだろう。
…その日が来るまでは。 -
小泉毬藻 さんが投稿「☾ 呟怖王 2019 SUMMER-AUTUMN ☾」にコメントしました。 5年 1か月前
#呟怖
―ロイコクロリディウムって寄生虫がいるじゃない。アレって1匹じゃなくて中にたくさん幼虫が入ってるんだって。幼虫の形はこんな感じ
と、彼女はカバンから瓶を取りだす。
―アレは人には寄生しないけど…これはね…
次に何が起こるか私にはハッキリわかったが、全身を固定されてどうにもならない -
小泉毬藻 さんが投稿「☾ 呟怖王 2019 SUMMER-AUTUMN ☾」にコメントしました。 5年 1か月前
#呟怖
シャープペンの芯の欠片
消しカス
削りカス
ちぎり取ったノートの端
制服の切れ端髪の毛
爪
指先の皮
唾液
抜歯した乳歯キミのそれらを小箱に詰め庭を創造する
これからのキミは人のもの、
「今までのキミ」はあたしだけのもの。 -
小泉毬藻 さんが投稿「☾ 呟怖王 2019 SUMMER-AUTUMN ☾」にコメントしました。 5年 1か月前
#呟怖
引越し先には、ガムテープで閉じられたドアがあった。
私が止めるのも聞かず、ダンナはドアをこじ開ける。
中にはまた閉じられたドアがあった。開けるとまたドアがある。そうして次々に開けていき、
56番目のドアを開けた時、はるか後ろでパタン、とドアが閉まる音がして
何も見えなくなった -
小泉毬藻 さんが投稿「☾ 呟怖王 2019 SUMMER-AUTUMN ☾」にコメントしました。 5年 1か月前
#呟怖
国境の山間に2つの塔があった。町を挟んで東と西に。
塔はぬるい霧をまとい、淡い影を町に落とす。
霧の深さで影は蠢く。獣の反芻にも似て。旅人が訪れると、町の人は必ず言う。
-ここは入れませんよ
しかし両側の山は険しく霧は深いのだ。町から帰った旅人は居ない。
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小泉毬藻 さんが投稿「☾ 呟怖王 2019 SUMMER-AUTUMN ☾」にコメントしました。 5年 1か月前
#呟怖
インフルエンサーが行方不明になり、しばらくして見つかった。死体で。
目立った外傷は無かったが、全身の血液と脳の1部が無くなっていた。そいつの話題がネットからもTVからも消えた頃、似たようなインフルエンサーが行方不明になり、しばらくして見つかった。死体で。
目立った外傷は無かっ -
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