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とく茶 さんが投稿「✵ 呟怖王 2018 SUMMER ✵」にコメントしました。 6年 3か月前
たっくんは隣に住んでる子で私たちは一緒に遊んだりする仲良しだった。だけど小学生になってたっくんは私を無視しだした。いくら話し掛けても黙って俯いたまま。
今日たっくんが来てくれた。嬉しくて沢山話しかけたのにたっくんはやっぱり黙って下を見て、私のお墓に花だけ置いて帰って行った。#呟怖 -
とく茶 さんが投稿「✵ 呟怖王 2018 SUMMER ✵」にコメントしました。 6年 3か月前
ばあちゃんの初盆でお経を上げてもらってる時に音が聞こえた。閉め切った室内で風鈴が揺れている。
「ばあちゃん喜んどんな」とじいちゃんは嬉しそうに小声で言った。
応えるように短冊が木魚に合わせてクルクルと回るけど、どう見てもそれは半透明な毛むくじゃらの手でばあちゃんじゃなかった。#呟怖 -
とく茶 さんが投稿「✵ 呟怖王 2018 SUMMER ✵」にコメントしました。 6年 3か月前
蝉の抜殻を踏んで、ふと昔を思い出す。
裏山の朽ちた祠にそれは居た。抜殻を供えると中から痩せ細った手が伸び、クシャリクシャリと食む音を幾度も聞いた。
空蝉の語源は現人、いくら食べても人の肉と比べれば腹の足しにはならぬだろうに。潰れた飴色の破片を見て物の怪の優しい空腹を想った。#呟怖 -
とく茶 さんが投稿「✵ 呟怖王 2018 SUMMER ✵」にコメントしました。 6年 3か月前
通りがかった公園の砂場で女の子がもがいている。両の足が砂に埋まり、抜け出せないでいるらしい。助けようと駆け寄る自分の肩を友人が掴む。
「やめろ、蟻地獄だ、泣き声がない」
その瞬間、女の子の泣き顔はぴたりと止まり、恨めしげにこちらを睨みつけながらゆっくりと砂中へ帰っていった。#呟怖 -
とく茶 さんが投稿「✵ 呟怖王 2018 SUMMER ✵」にコメントしました。 6年 3か月前
私は #呟怖 を書くため恐ろしいことばかりを考えている。料理のように焼くか、煮るか、潰すか、切るか。ありとあらゆる方法を用いて最大限の恐怖を与え、肉と骨だけにする空想だ。おかげで次々と作品ができ、毎日が充実している。
だけど私の中で何万通りもの殺され方をするのはいつも上司の顔だった。 -
とく茶 さんが投稿「✵ 呟怖王 2018 SUMMER ✵」にコメントしました。 6年 3か月前
道端に骨の折れた傘。
拾ってみると突然の激しい雨音が耳を突く。乾いた地面との対比を不思議に見ていると後から殴るような警笛とスリップが聞こえた。振り返ったが何も無い。次の瞬間、固い何かとぶつかる鈍い音が鼓膜を揺する。静寂が戻り、一筋の雫が傘から落涙すると持ち主の最期を知った。#呟怖
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とく茶 さんが投稿「✵ 呟怖王 2018 SUMMER ✵」にコメントしました。 6年 3か月前
この地では海から人が揚がった日は漁に出ない。
昔、人が打ち上がった。男はそれを知っていながらも丸々と太った魚を釣り上げ、手放すのを惜しんで持ち帰った。
腹に包丁を立てると中には髪の毛が詰まっており、血抜きしたはずの魚が悲鳴を上げる。釣果を分けた隣近所からも同じ悲鳴が聞こえた。#呟怖 -
とく茶 さんが投稿「✵ 呟怖王 2018 SUMMER ✵」にコメントしました。 6年 3か月前
「母さんのご飯と同じ味がする」
「母さんみたいに見るね」
「きみは母さんと同じ匂いがする」
会ったことのない母親と比べられることが多かった。
その母親が捕まった。殺人と死体損壊。彼は青白い顔で冷凍庫の『食品』が押収されたと私に洩らした。……なんだ、本当に何もかも同じじゃない。#呟怖
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とく茶 さんが投稿「✵ 呟怖王 2018 SUMMER ✵」にコメントしました。 6年 3か月前
実家には流雪溝という雪を捨てる場所がある。家の周りで処理しきれない雪を入れると水が運搬していくシステムで蓋を外すと大量の雪の流れが見て取れる。
ある年の冬から回覧板で【流雪溝をお使いの方へ】とチラシが入るようになり【一日に何度も同じ人が流れてくるので助けないように】とあった。#呟怖 -
とく茶 さんが投稿「✵ 呟怖王 2018 SUMMER ✵」にコメントしました。 6年 3か月前
曽祖父が子供の頃の話。町への唯一の道が大雪のため断絶し、集落が孤立することがあった。またそんな時は子供が失踪することも多く、大人達は次の犠牲者が出ないよう困窮の最中にも関わらずお供え物には肉が出たそうだ。
神隠しだよ、大人達の嬉しそうな顔が今となっては背筋を撫でる。#呟怖 -
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とく茶 さんと 珈琲でも飲みながら、怖い話でもしませんか?(冬うさぎ) さんが友達になりました 6年 3か月前
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とく茶 さんと 佐清@マスカルポーネ さんが友達になりました 6年 3か月前
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